これまでのあらすじ
『病迷悪夢』
(特訓編、二話構成)
「ふ、ハァ………疲れた………………」
「だらしねェな……。メア、次に行く場所は、何処だ?」
はふぅ、と溜息を吐く拳に呆れる絃入
変わらず仲は悪い
「……気が早いナリア。レジスタンスは未だ此れ一回として、十二騎士はずっと連続して色々行っているから、少しは休暇を取らせないと。其れに今帰って来たばかりだし。
……次は、此処から南に10里(約39km)先、アトルムの地にある闘技場で行われる『アレンスの古代闘技場』に行く。闘技場だから、所謂戦闘。夢世界トーナメントの拡大版、的なのかな。其れが二週間後に開催される。
各地区に広がる、他の夢ギルドも幾つか参戦するみたいで」
「えっ、夢ギルドって他にもあるんですか?!」
「……そりゃ、一つだけあったら、ねぇ?此処から遠い場所で落とされたら、此処まで辿り着くのは不可能か可能かと言われたら、まあ不可に近い。あと、ギルドにも2つ種類があってね。
このように、依頼を受ける様な、普通のギルド。殺しや盗賊の様な依頼を受ける、闇ギルドなるものがある。闇ギルドは確か、噂によると夢世界で15個ほどあるらしいけど、幾つだっけ…………10個くらいは潰したかな。ランク上位から順々に」
まあその御蔭で下の闇ギルドもどんどん解散してくれて助かってるけどね~、とにこやかに微笑みながら言うメア
闇ギルドは超戦闘系ギルドでもあり、少人数の闇ギルドに、多人数の普通のギルドが敗れたという話もある
果たして潰すとは……殺すのか、経済力を奪っているのか
「まあそんな話は置いといて。其の二週間後に向けて、少し休暇を取る。単独で何処かへ行っても良し、特訓するも良し。特訓なら手伝うよ」
「えっ、出ないの?」
きょとんとした顔で問う悠
それに
「だって詰まらないじゃん。前一回出たけど、あっさり優勝よ。出ない出ない」
と真顔で返す
因みに夢世界で使っている部屋にはその時のトロフィーがあるとか(押し入れとかに入っているが)
「えっ、主人出ないの!?てかあっさり優勝て……じゃああたしも出なーい!冷もでしょ?」
「……元から出る心算は無い」
「んー、僕はどーしよっかな!!」
「『……………出るとなったら、”爆発”だけは抑えて』」
「えっちょっ、それ錬斗居ないと無理だよ!?」
「拙者は……如何しようか………………」
「出るなら相手は殺さないようにね斬鉄。失格になるから」
「承知したでござる」
「私達は……如何する?」
「出る?」
顔を互いに見合って言うウゾとムゾ
んー、と考える
「僕、は…………戦闘は、嫌……」
「あれ?でも先刻はすっごい戦ってたけど……何で?」
「ん……其れは自分の身を守るためだと思う。所謂、”仕様が無い”ってヤツ」
他の人の身も守りたいようだが、其れが上手く出来ない為に、先ず自分の身を守る
「………じゃあ、一緒に少し、特訓でもしよっかククロ?」
「あっ、あたしもククロちゃんと特訓したい!良いよね?後、ショッピングとか行こー!!」
「う、うん!」
小夏にも慣れてはきたようだが、其れでも未だ二人には劣るらしい
「………ロールは如何する?」
「私?私は………………うーん…………初めて街から出たから……他の事もしてみたい、出てみる」
「ん、了解。………十二騎士は如何する?」
「勿論」
「出るに」
「決まってる」
拳と烈華の悠の連係プレイ
「御前等も出るよな?」
くるりと後ろを振り向く拳
其処には他のメンバー
全員、コクリと頷く
「……ふむ、十二騎士は全員参加、と。じゃあ、今日はもう解散。今日はちゃんと、全員ゆっくり休んで。
明日から如何行動をするかは自分次第。特訓したいのなら、ギルドにある特訓部屋の更に其の先に小さい闘技場もある。其処に行くと良い。
それじゃあ、解散!!」
*
*
*
____後日
ギルド内の小さな闘技場____
「………うは…でっか」
____小さい、なんてレベルじゃないぞ____
詰りアレンスの古代闘技場はもっと大きいという事である
上を見たり、下を見たり、左を見たり右を見たり
後ろを見たり………
「………なんだぁ、御前等も来てたのか~。あ、おはよ」
「おはよう、拳。早いな」
「いや~、今来たばっかだけどな?」
「皆さん早いですね~………………」
目をゴシゴシと擦る人数名
欠伸をふわぁ、とするのも数名
ストレッチをしているのも数名
ぼーっと、未だ意識が醒めきってないのも数名
…………………
「何だ、結局全員来たの」
「「「!!?」」」
声がする
全員其方を振り向くが、誰も居ない
「違う、此方」
「…?」
ちょんちょんと、誰かが拳の方を指で突く
「ばぁ!」
「うわああああっ!!?
………クレル?」
宙づりになっているクレルが、拳の眼前に居た
手持ちの杖が浮いており、其れに膝窩を引っ掛けてぶら下がっていた
ほっ、と降りる
「やっほー、遅いよ皆!」
ニコニコと笑うクレル
「?、???」
____あれ、今の声………
メアの声だったよな?____
「此方だよ」
更に上から声がする
闘技場、の観客席のところに居る
落下防止の柵となる場所に足を掛けて、飛び降りる
「ッ、と……………あっ、ククロ、降りられる?」
如何やら一緒に居た様で
上に居るククロがふるふると首を横に振る
「そっか。……ッ」
地面を蹴って、もう一度元の場所に戻る
そして抱えて、また降りて来る
ククロを降ろして、話を続ける
「却説、全員来たという事は………………皆思いは同じ、と。……っくしゅん…!」
「「「!!!?」」」
可愛らしいくしゃみ……
からの一時の無言
「………??」
____今、誰かに私の大切なモノ壊された未来が視えた気がした………____
頭に疑問符を浮かべながら、鼻を擦って、話を続ける
「ッ……………じゃあ、相手を選んで、闘って。あ、でも私含め25人だから………ん………………~~、そうだ、誰か私と闘わない?二対一で。ね、力試しとして。
…………早い者勝ちで」
バッと二つ、手が上がる
拳と、影裏……………
「………あ、そう、御前等ね。じゃあ、後は他で組んで」
*
*
「んじゃ、ククロちゃん、行っくよー!人形に頼りにしちゃ駄目、人形を動かしつつも、ちゃんと自分を守るんだよー!今日は体術も踏まえるからね!」
「う、うん、クレルちゃん…!」
クレル対ククロ___
単にククロのレベル上げの様であるが
匕首を手に持って、走り出す
「ふむぅ、正面突破ねぇ……………おッ?」
目の前から居なくなる
「ッ……!」
瞬間で背後に回る
「うん、ナイス判断。正面から行くなんて、相手に『どうぞ捕まえてください』って言ってるようなモンだからね。でも、残念☆」
「っえ、わぁっ…!?」
匕首で斬り掛かろうとして伸ばした手を逆手に取り、クレルはククロの伸ばした腕を掴んで、そして引っ繰り返す
因みに言おう
二人とも身長は同じくらいである(120cm前後)
「んー、未だ未だ甘いよ!でも、判断力は良かった!
だから、今は一寸暗器を使うのを止めて、体術でもしよっか!そうしたら、もっと動きが速くなるよ~。其れに、丸腰になったら相手に対する術が無いからね!普通の人とか、割と体術噛んだ人には対応できるけど、其れでもそれ以上の人には未だ通用しないから、ね!」
「う、ん!」
育成教室となった____
*
*
「………斬鉄と闘わないの?」
「奴とは何度も剣を交えた」
結果は全部引き分けな模様
冷が勝ちそうなところを斬鉄が食い止め、斬鉄が勝ちそうなところを冷が食い止める
其れの繰り返しである
____俺も少し、鈍ったか……____
悠 対 冷___
「………それに同じ能力の奴と闘うのもアリかと。まあ俺は、御前の力を見極めて判断をするだけだがな」
「………むっ、随分と上から目線で?なら、本気で行ってやるわよ!!」
「そう、本気で来い」
____気を抑えろ、俺。
此れは戦闘じゃない、特訓だ____
深呼吸をして目を閉じる
悠はオメガオーラを放つ
「じゃあ、御望みとあらば!能力で戦ってやるわよ!!ハァッ!!」
冷に向かって走りながら、ピキピキと剣を造形する
更に吹雪を吹かせる
「………………」
手を前にバッと出す冷
瞬時に盾を造形し、此方も吹雪を吹かせる
「ッ、へぇ………守りに入るんだ。なら、ッハァ!!」
剣を両手で持って、斬り掛かる
キィン!!
ピキッ、ピキピキ………
パリィン!!
「ッ、え………?!」
____剣が、私の造形した剣が………………
壊れた………!?____
「ッあ、キャァッ!!」
そして身体が、冷の放った吹雪によって吹っ飛ばされる
「………………………ふーん、成る程な」
「ッ、つ………なる、ほど………?」
「御前は、最近はオメガオーラに頼り過ぎていて、能力を扱えていない。
良いか?オメガオーラってのは、人間の本来持つ闘力の限界値を超えた力だ。
そして、闘力は自分の持つ能力の値だ。能力は、此の世界で授かった能力であって、体術等、元から持ち合わせていたものではない。
………………御前達は、今まで何をやって来た?全くなってない。他の奴等もそうだ。
力に、溺れ過ぎるな」
「ッ………………!」
____力に、溺れ過ぎるな、ですって………?____
言っておくが、冷はオメガオーラも何もしていない。混血でもない
只、今の闘力だけで、遥かに上を行く悠に打ち勝ったのである
様は基礎が全然なってない、という事
「………時間は未だある。基礎からやり直せ。俺は未だ此の世界に入って来て一ヶ月も経ってない。俺よりも早く入って来た御前が、御前達が何故負ける?
………十二騎士は全員、そう言い渡されるだろうな」
「ッ………………」
歯を食いしばる悠
____基礎から、やり直せ………?____
*
*
*
「………む、斬鉄とか」
「嗚呼、その様であるな」
ビリビリと電気を纏った剣を手に持つ少女と
刀を片手に持ち、構える少年
刀子 対 斬鉄___
「ッ、やぁっ!!」
「……む」
襲い掛かる刀子
____構えも甘い、軸に乱れ有。
………………此の程度であるか____
「……フンッ!」
キィン!
「ふっ、う、わっ!?」
いとも容易く、エクスカリバーが手から離れ、飛ばされる
「………剣の扱いの心得を、得た事はあるでござるか?」
「扱いの、心得……?………否、前に教えてもらおうと、他の人に頼んだ事はあるんだけど……断られちゃって………」
「詰り、得た事は無いと?」
「……まあ、そうだね。ね、御願い!私に教えて!刀と剣じゃ、少し違うかもしれないけど……………好き勝手にブンブン振っているだけじゃ、何時、何処かで必ず隙が生まれる。だから、少しでも剣を、ちゃんと、扱えるようになりたいの!!」
「………………ふむ」
____此の剣を、長年使っているようだが、矢張り心得無しに直感でやっていると。
……………然し、僅かながらに見込みは有る。
確かに刀と剣は形状も違う。特に此の剣は大剣に近い。
………………____
「承知した、其の願い聞き入れるでござる」
「えっ、マジで!?やった!!」「但し」
喜んでいる刀子に喝を入れる
「但し、刃物の扱いは容易くない。其処を、頭に刻み込むのでござる。
………其れでは、今から行う」
「っえ、突然過ぎ!?」
「扱いには己の行動の速さも求められる!」
「はっ、はい!!」
……育成教室、増加中____
*
*
*
「んー、皆さん白熱だねぇ!」
「………………」
「……んー、紙無いけど、何言ってんのかは大体分かる!」
____”十二騎士は未だ己の力を扱いきれてない”、ね____
炸破 対 錬斗___
此れは……もう、こう組むしかないのか?
「ッ、ほっ、ほいさ、ドーン!!」
ド_______
ン……………
………………
「むー!」
爆破によって起こった衝撃を、抑える錬斗
またその一部を凝縮させて、弾丸として放つ
「…!あぶなっ!」
ドンッ
バシュッ
……ピシッ
「………………『……(゜゜;)』」
「否、顔文字で反応されても………」
打った弾丸の先に誰も居なかったのは幸いだが、壁を貫通した
「………私達、闘うの控えた方が良いかな!?」
「……………」
コクリと頷く錬斗
………………狭い空間だと微妙に扱い辛い
*
*
*
「………成る程、僕は槍児さんとですか」
「…で、私は銃菜さんと?」
「まあ、そうみたいだな」
「味方同士で戦って、力を高めるのって、意外とアリなのね~」
ムゾ 対 槍児___
ウゾ 対 銃菜___
___前者
「其れでは、行きますよ!」
「嗚呼、来い!」
地面にバンッ、と手を付けると、その位置から植物か生える
「う、わ………成長スピード速い……」
上を見上げる
っと、首をフルフルと横に揺らす
「おっと、一瞬気が逸れてしまいました。其れでは、ッ!!」
地面を蹴る
成長し、ムゾに向かって伸びて来る植物
其れを避け、更には植物の上に乗って走る
迫り迫って来る植物を避け乍ら、槍児に向かって、走る
「………ッ!?」
「…あれ、その場から動いていないのですか。成る程、此れが弱点ですね、ッ!」
植物を伝って、槍児の後ろに回り込み
………ピタ
槍児の項に、何時の間にか手に持っていた手持ちの羽ペンを突き付ける
「………!!」
「能力に自信を持っているのか………否、如何でしょう。若しくは、動けないのか。
…………………まあ、其れが貴方の弱点と見ました、槍児さん」
丁寧な物言いであるが、言っている事は厳しい
此れはムゾの能力、”無罪”とは全く関係ない代物である
サァ……と、植物が消える
「おっ、と!」
足を地面に付ける
「……ふぅ。今回、僕達が何故、十二騎士と共に行動するのか、そう疑問に思いはしませんでした?」
「………少し、思った」
羽ペンを突き付けられたまま、少し歪んだ表情で言う
突き付けたまま、其の解を述べる
「其れは、貴方達の力を引き出す為です。メアさんはこう判断したのでしょう。『力はあるけど、使い方が悪い。使い方を理解していない』と。其れに、此れから先、厳しくなってきます。恐らく、何処かで貴方達が負けると思ったのです。
だから、その為に僕達、ナイトメアレジスタンスと栞さんが追加されたんです。今、闘ってみて更に確信しました。
他の方も、そうなんです」
「………ッ…!」
____力の使い方が、悪い……?!____
___後者
「わっ、向こうも白熱だ……。じゃあ、よしっ、私達も行きましょう!!」
「……そうね」
素っ気無い返しをするウゾ
水をもわもわと集める銃菜
其れを、弾丸の様に放つ
時に、大きいのも放つ
「………ハッ!」
ウゾの手に持つ黒い木槌
其れが巨大化する
迫りくる水の弾丸を薙ぎ払う
「…!わ、凄い……!ならッ、此れは……
____如何かな?」
更に大量の水の弾幕や、水の塊を放つ
「………量が増えたところで変わりはしないよ」
更に薙ぎ払う
____フ………ゥ______…………
「ッ、ラァッ!!」
「!?」
____此の人、目付きが変わって……!____
銃菜が、カジノの時になった別人格、になる
瞬時に木槌のサイズを戻し、避ける
「ッ、ふ、ハァッ、!」
見極めながら、避けるウゾ
____此れは、『鉄の形』……!
…………能力はそこそこだけど、体術はずば抜けてる……。
でも、如何やら偶にしか、発揮されないようで____
隙を見極めながら、超近接攻撃を避け、後ろに引く
「……ッ、…ハァ……」
「ハァッ、ハァ………………ッ………」
銃菜の目付きが元に戻る
そして、膝から倒れる
「………銃菜さん、貴女、『鉄の形』はとっても見事。
………………だけど、能力の扱いは未だ未だね。体術は良くても、残念な事に偶にしか発揮されないと見た。其れに、数秒の激しい動きで倒れるという事は、元来から身体が弱い、と。
………………能力の上達を、目指した方が良い。最初から、大技を放とうとしない方が良い。身体に負担がかかるから。少しずつ、基礎から」
「ハァッ…………ハァ…ッ……………、わか、った……。でも、少し……休ませ……て」
「………………」
此の姉弟、能力だけじゃなく、色々と強い
「ふ、ハァ………疲れた………………」
「だらしねェな……。メア、次に行く場所は、何処だ?」
はふぅ、と溜息を吐く拳に呆れる絃入
変わらず仲は悪い
「……気が早いナリア。レジスタンスは未だ此れ一回として、十二騎士はずっと連続して色々行っているから、少しは休暇を取らせないと。其れに今帰って来たばかりだし。
……次は、此処から南に10里(約39km)先、アトルムの地にある闘技場で行われる『アレンスの古代闘技場』に行く。闘技場だから、所謂戦闘。夢世界トーナメントの拡大版、的なのかな。其れが二週間後に開催される。
各地区に広がる、他の夢ギルドも幾つか参戦するみたいで」
「えっ、夢ギルドって他にもあるんですか?!」
「……そりゃ、一つだけあったら、ねぇ?此処から遠い場所で落とされたら、此処まで辿り着くのは不可能か可能かと言われたら、まあ不可に近い。あと、ギルドにも2つ種類があってね。
このように、依頼を受ける様な、普通のギルド。殺しや盗賊の様な依頼を受ける、闇ギルドなるものがある。闇ギルドは確か、噂によると夢世界で15個ほどあるらしいけど、幾つだっけ…………10個くらいは潰したかな。ランク上位から順々に」
まあその御蔭で下の闇ギルドもどんどん解散してくれて助かってるけどね~、とにこやかに微笑みながら言うメア
闇ギルドは超戦闘系ギルドでもあり、少人数の闇ギルドに、多人数の普通のギルドが敗れたという話もある
果たして潰すとは……殺すのか、経済力を奪っているのか
「まあそんな話は置いといて。其の二週間後に向けて、少し休暇を取る。単独で何処かへ行っても良し、特訓するも良し。特訓なら手伝うよ」
「えっ、出ないの?」
きょとんとした顔で問う悠
それに
「だって詰まらないじゃん。前一回出たけど、あっさり優勝よ。出ない出ない」
と真顔で返す
因みに夢世界で使っている部屋にはその時のトロフィーがあるとか(押し入れとかに入っているが)
「えっ、主人出ないの!?てかあっさり優勝て……じゃああたしも出なーい!冷もでしょ?」
「……元から出る心算は無い」
「んー、僕はどーしよっかな!!」
「『……………出るとなったら、”爆発”だけは抑えて』」
「えっちょっ、それ錬斗居ないと無理だよ!?」
「拙者は……如何しようか………………」
「出るなら相手は殺さないようにね斬鉄。失格になるから」
「承知したでござる」
「私達は……如何する?」
「出る?」
顔を互いに見合って言うウゾとムゾ
んー、と考える
「僕、は…………戦闘は、嫌……」
「あれ?でも先刻はすっごい戦ってたけど……何で?」
「ん……其れは自分の身を守るためだと思う。所謂、”仕様が無い”ってヤツ」
他の人の身も守りたいようだが、其れが上手く出来ない為に、先ず自分の身を守る
「………じゃあ、一緒に少し、特訓でもしよっかククロ?」
「あっ、あたしもククロちゃんと特訓したい!良いよね?後、ショッピングとか行こー!!」
「う、うん!」
小夏にも慣れてはきたようだが、其れでも未だ二人には劣るらしい
「………ロールは如何する?」
「私?私は………………うーん…………初めて街から出たから……他の事もしてみたい、出てみる」
「ん、了解。………十二騎士は如何する?」
「勿論」
「出るに」
「決まってる」
拳と烈華の悠の連係プレイ
「御前等も出るよな?」
くるりと後ろを振り向く拳
其処には他のメンバー
全員、コクリと頷く
「……ふむ、十二騎士は全員参加、と。じゃあ、今日はもう解散。今日はちゃんと、全員ゆっくり休んで。
明日から如何行動をするかは自分次第。特訓したいのなら、ギルドにある特訓部屋の更に其の先に小さい闘技場もある。其処に行くと良い。
それじゃあ、解散!!」
*
*
*
____後日
ギルド内の小さな闘技場____
「………うは…でっか」
____小さい、なんてレベルじゃないぞ____
詰りアレンスの古代闘技場はもっと大きいという事である
上を見たり、下を見たり、左を見たり右を見たり
後ろを見たり………
「………なんだぁ、御前等も来てたのか~。あ、おはよ」
「おはよう、拳。早いな」
「いや~、今来たばっかだけどな?」
「皆さん早いですね~………………」
目をゴシゴシと擦る人数名
欠伸をふわぁ、とするのも数名
ストレッチをしているのも数名
ぼーっと、未だ意識が醒めきってないのも数名
…………………
「何だ、結局全員来たの」
「「「!!?」」」
声がする
全員其方を振り向くが、誰も居ない
「違う、此方」
「…?」
ちょんちょんと、誰かが拳の方を指で突く
「ばぁ!」
「うわああああっ!!?
………クレル?」
宙づりになっているクレルが、拳の眼前に居た
手持ちの杖が浮いており、其れに膝窩を引っ掛けてぶら下がっていた
ほっ、と降りる
「やっほー、遅いよ皆!」
ニコニコと笑うクレル
「?、???」
____あれ、今の声………
メアの声だったよな?____
「此方だよ」
更に上から声がする
闘技場、の観客席のところに居る
落下防止の柵となる場所に足を掛けて、飛び降りる
「ッ、と……………あっ、ククロ、降りられる?」
如何やら一緒に居た様で
上に居るククロがふるふると首を横に振る
「そっか。……ッ」
地面を蹴って、もう一度元の場所に戻る
そして抱えて、また降りて来る
ククロを降ろして、話を続ける
「却説、全員来たという事は………………皆思いは同じ、と。……っくしゅん…!」
「「「!!!?」」」
可愛らしいくしゃみ……
からの一時の無言
「………??」
____今、誰かに私の大切なモノ壊された未来が視えた気がした………____
頭に疑問符を浮かべながら、鼻を擦って、話を続ける
「ッ……………じゃあ、相手を選んで、闘って。あ、でも私含め25人だから………ん………………~~、そうだ、誰か私と闘わない?二対一で。ね、力試しとして。
…………早い者勝ちで」
バッと二つ、手が上がる
拳と、影裏……………
「………あ、そう、御前等ね。じゃあ、後は他で組んで」
*
*
「んじゃ、ククロちゃん、行っくよー!人形に頼りにしちゃ駄目、人形を動かしつつも、ちゃんと自分を守るんだよー!今日は体術も踏まえるからね!」
「う、うん、クレルちゃん…!」
クレル対ククロ___
単にククロのレベル上げの様であるが
匕首を手に持って、走り出す
「ふむぅ、正面突破ねぇ……………おッ?」
目の前から居なくなる
「ッ……!」
瞬間で背後に回る
「うん、ナイス判断。正面から行くなんて、相手に『どうぞ捕まえてください』って言ってるようなモンだからね。でも、残念☆」
「っえ、わぁっ…!?」
匕首で斬り掛かろうとして伸ばした手を逆手に取り、クレルはククロの伸ばした腕を掴んで、そして引っ繰り返す
因みに言おう
二人とも身長は同じくらいである(120cm前後)
「んー、未だ未だ甘いよ!でも、判断力は良かった!
だから、今は一寸暗器を使うのを止めて、体術でもしよっか!そうしたら、もっと動きが速くなるよ~。其れに、丸腰になったら相手に対する術が無いからね!普通の人とか、割と体術噛んだ人には対応できるけど、其れでもそれ以上の人には未だ通用しないから、ね!」
「う、ん!」
育成教室となった____
*
*
「………斬鉄と闘わないの?」
「奴とは何度も剣を交えた」
結果は全部引き分けな模様
冷が勝ちそうなところを斬鉄が食い止め、斬鉄が勝ちそうなところを冷が食い止める
其れの繰り返しである
____俺も少し、鈍ったか……____
悠 対 冷___
「………それに同じ能力の奴と闘うのもアリかと。まあ俺は、御前の力を見極めて判断をするだけだがな」
「………むっ、随分と上から目線で?なら、本気で行ってやるわよ!!」
「そう、本気で来い」
____気を抑えろ、俺。
此れは戦闘じゃない、特訓だ____
深呼吸をして目を閉じる
悠はオメガオーラを放つ
「じゃあ、御望みとあらば!能力で戦ってやるわよ!!ハァッ!!」
冷に向かって走りながら、ピキピキと剣を造形する
更に吹雪を吹かせる
「………………」
手を前にバッと出す冷
瞬時に盾を造形し、此方も吹雪を吹かせる
「ッ、へぇ………守りに入るんだ。なら、ッハァ!!」
剣を両手で持って、斬り掛かる
キィン!!
ピキッ、ピキピキ………
パリィン!!
「ッ、え………?!」
____剣が、私の造形した剣が………………
壊れた………!?____
「ッあ、キャァッ!!」
そして身体が、冷の放った吹雪によって吹っ飛ばされる
「………………………ふーん、成る程な」
「ッ、つ………なる、ほど………?」
「御前は、最近はオメガオーラに頼り過ぎていて、能力を扱えていない。
良いか?オメガオーラってのは、人間の本来持つ闘力の限界値を超えた力だ。
そして、闘力は自分の持つ能力の値だ。能力は、此の世界で授かった能力であって、体術等、元から持ち合わせていたものではない。
………………御前達は、今まで何をやって来た?全くなってない。他の奴等もそうだ。
力に、溺れ過ぎるな」
「ッ………………!」
____力に、溺れ過ぎるな、ですって………?____
言っておくが、冷はオメガオーラも何もしていない。混血でもない
只、今の闘力だけで、遥かに上を行く悠に打ち勝ったのである
様は基礎が全然なってない、という事
「………時間は未だある。基礎からやり直せ。俺は未だ此の世界に入って来て一ヶ月も経ってない。俺よりも早く入って来た御前が、御前達が何故負ける?
………十二騎士は全員、そう言い渡されるだろうな」
「ッ………………」
歯を食いしばる悠
____基礎から、やり直せ………?____
*
*
*
「………む、斬鉄とか」
「嗚呼、その様であるな」
ビリビリと電気を纏った剣を手に持つ少女と
刀を片手に持ち、構える少年
刀子 対 斬鉄___
「ッ、やぁっ!!」
「……む」
襲い掛かる刀子
____構えも甘い、軸に乱れ有。
………………此の程度であるか____
「……フンッ!」
キィン!
「ふっ、う、わっ!?」
いとも容易く、エクスカリバーが手から離れ、飛ばされる
「………剣の扱いの心得を、得た事はあるでござるか?」
「扱いの、心得……?………否、前に教えてもらおうと、他の人に頼んだ事はあるんだけど……断られちゃって………」
「詰り、得た事は無いと?」
「……まあ、そうだね。ね、御願い!私に教えて!刀と剣じゃ、少し違うかもしれないけど……………好き勝手にブンブン振っているだけじゃ、何時、何処かで必ず隙が生まれる。だから、少しでも剣を、ちゃんと、扱えるようになりたいの!!」
「………………ふむ」
____此の剣を、長年使っているようだが、矢張り心得無しに直感でやっていると。
……………然し、僅かながらに見込みは有る。
確かに刀と剣は形状も違う。特に此の剣は大剣に近い。
………………____
「承知した、其の願い聞き入れるでござる」
「えっ、マジで!?やった!!」「但し」
喜んでいる刀子に喝を入れる
「但し、刃物の扱いは容易くない。其処を、頭に刻み込むのでござる。
………其れでは、今から行う」
「っえ、突然過ぎ!?」
「扱いには己の行動の速さも求められる!」
「はっ、はい!!」
……育成教室、増加中____
*
*
*
「んー、皆さん白熱だねぇ!」
「………………」
「……んー、紙無いけど、何言ってんのかは大体分かる!」
____”十二騎士は未だ己の力を扱いきれてない”、ね____
炸破 対 錬斗___
此れは……もう、こう組むしかないのか?
「ッ、ほっ、ほいさ、ドーン!!」
ド_______
ン……………
………………
「むー!」
爆破によって起こった衝撃を、抑える錬斗
またその一部を凝縮させて、弾丸として放つ
「…!あぶなっ!」
ドンッ
バシュッ
……ピシッ
「………………『……(゜゜;)』」
「否、顔文字で反応されても………」
打った弾丸の先に誰も居なかったのは幸いだが、壁を貫通した
「………私達、闘うの控えた方が良いかな!?」
「……………」
コクリと頷く錬斗
………………狭い空間だと微妙に扱い辛い
*
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「………成る程、僕は槍児さんとですか」
「…で、私は銃菜さんと?」
「まあ、そうみたいだな」
「味方同士で戦って、力を高めるのって、意外とアリなのね~」
ムゾ 対 槍児___
ウゾ 対 銃菜___
___前者
「其れでは、行きますよ!」
「嗚呼、来い!」
地面にバンッ、と手を付けると、その位置から植物か生える
「う、わ………成長スピード速い……」
上を見上げる
っと、首をフルフルと横に揺らす
「おっと、一瞬気が逸れてしまいました。其れでは、ッ!!」
地面を蹴る
成長し、ムゾに向かって伸びて来る植物
其れを避け、更には植物の上に乗って走る
迫り迫って来る植物を避け乍ら、槍児に向かって、走る
「………ッ!?」
「…あれ、その場から動いていないのですか。成る程、此れが弱点ですね、ッ!」
植物を伝って、槍児の後ろに回り込み
………ピタ
槍児の項に、何時の間にか手に持っていた手持ちの羽ペンを突き付ける
「………!!」
「能力に自信を持っているのか………否、如何でしょう。若しくは、動けないのか。
…………………まあ、其れが貴方の弱点と見ました、槍児さん」
丁寧な物言いであるが、言っている事は厳しい
此れはムゾの能力、”無罪”とは全く関係ない代物である
サァ……と、植物が消える
「おっ、と!」
足を地面に付ける
「……ふぅ。今回、僕達が何故、十二騎士と共に行動するのか、そう疑問に思いはしませんでした?」
「………少し、思った」
羽ペンを突き付けられたまま、少し歪んだ表情で言う
突き付けたまま、其の解を述べる
「其れは、貴方達の力を引き出す為です。メアさんはこう判断したのでしょう。『力はあるけど、使い方が悪い。使い方を理解していない』と。其れに、此れから先、厳しくなってきます。恐らく、何処かで貴方達が負けると思ったのです。
だから、その為に僕達、ナイトメアレジスタンスと栞さんが追加されたんです。今、闘ってみて更に確信しました。
他の方も、そうなんです」
「………ッ…!」
____力の使い方が、悪い……?!____
___後者
「わっ、向こうも白熱だ……。じゃあ、よしっ、私達も行きましょう!!」
「……そうね」
素っ気無い返しをするウゾ
水をもわもわと集める銃菜
其れを、弾丸の様に放つ
時に、大きいのも放つ
「………ハッ!」
ウゾの手に持つ黒い木槌
其れが巨大化する
迫りくる水の弾丸を薙ぎ払う
「…!わ、凄い……!ならッ、此れは……
____如何かな?」
更に大量の水の弾幕や、水の塊を放つ
「………量が増えたところで変わりはしないよ」
更に薙ぎ払う
____フ………ゥ______…………
「ッ、ラァッ!!」
「!?」
____此の人、目付きが変わって……!____
銃菜が、カジノの時になった別人格、になる
瞬時に木槌のサイズを戻し、避ける
「ッ、ふ、ハァッ、!」
見極めながら、避けるウゾ
____此れは、『鉄の形』……!
…………能力はそこそこだけど、体術はずば抜けてる……。
でも、如何やら偶にしか、発揮されないようで____
隙を見極めながら、超近接攻撃を避け、後ろに引く
「……ッ、…ハァ……」
「ハァッ、ハァ………………ッ………」
銃菜の目付きが元に戻る
そして、膝から倒れる
「………銃菜さん、貴女、『鉄の形』はとっても見事。
………………だけど、能力の扱いは未だ未だね。体術は良くても、残念な事に偶にしか発揮されないと見た。其れに、数秒の激しい動きで倒れるという事は、元来から身体が弱い、と。
………………能力の上達を、目指した方が良い。最初から、大技を放とうとしない方が良い。身体に負担がかかるから。少しずつ、基礎から」
「ハァッ…………ハァ…ッ……………、わか、った……。でも、少し……休ませ……て」
「………………」
此の姉弟、能力だけじゃなく、色々と強い
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筆者:結城 読者:289 評価:0 分岐:1
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このストーリーの評価
結城 #0 - 17.10.07
まあ、分かる通り、前二つの話より時間軸は前、ヴェレスから帰って来て一日後の話です。
少し時間置いて、続きを投稿します。もう出来てるので
少し時間置いて、続きを投稿します。もう出来てるので