『病迷悪夢』

エメラルドVS小夏が始まる頃、カジノ前にて警備員達が騒然としていた。

理由はただひとつ、彼等を束ねるパールが音もなく死んでいたのだ。

「あのパール様が…やられている…」

警備員達が右往左往していると死んだはずのパールが咆哮と共に立ち上がる。

彼は運気を操ることが出来る。死ぬ直前に己の運気を最大限に上げ、幸運にも助かったのだ。

「なんなんだぁ！あのガキャあ！殺す…ぶっ殺してやる！」

パールは怒り狂い先程の青年を追おうとするとまた声をかけられた。勿論そんなものに構ってられる心情じゃない。

「あぁ！？関係者以外はすっこんで…ろ…」

だが、そんな彼の心情はすぐに吹き飛んだ。何故ならその声の主はバクに最も近くて今最も遠くて憎らしい存在…

「オヒサー、パールっち最近どうよ？」

「相変わらず、品が無いですわね…」

「ジェラ…モノン…！」

それは『裏切り者』という最大の汚点をバクに塗りつけた二人だった。ここにやって来た理由を聞こうとパールは考えたが、その必要はないと思い直した。

「一度裏切ったお前らがバクに許されるわけがねぇ、だから！俺がお前らに八つ当たりしても問題ねぇ訳だ！死ねぇ！」

パールは巨大な警棒を二人に振り下ろす。



…よりも速く、二人は銃と仕込み傘を抜いていた。

「流石の強運も…」

「二度目の死は防げないようですわね…」

ゆっくりと己の血だまりに倒れるパールを警備員は青い顔で見つめることしか出来なかった。そんな彼らにジェラとモノンはいつもの調子で、

だがとても威圧的に、語りかけてきた。

「ねぇー、ここゴールドっちが経営してるんでしょー？」

「久々に旧友とお会いする機会ですので、是非ご挨拶していこうと思いましたの、ですから…」

「「VIP対応、よろしく。」」

彼女達の凄みに圧倒され、警備員は言われた通りにゴールドと拳達のいる部屋に案内する。

「早速人間ピンチって感じ？学習しないねアイツラ、ねぇジェラネェ？」

「全くですわ。…誰一人くたばってなければいいけれど。」

「…あれ？もしかしてデレたの？」

「うるさい。」

かくしてジェラとモノンが拳達に加勢することになった。

筆者:Kd  読者:369  評価:0  分岐:1

結城 #0 - 17/08/21

面白い

おお……確かに初挿絵ですね(何回か描こうと思ってたが何か面倒っちぃ←)

真逆の改心しちゃった方々ですからね……然もラスボスの元側近的な立ち位置でしたから……


スピンオフ、良いんじゃないですか！？




流石バクの奥様方……………其処等の住人よりお強い

ハゴ #0 - 17/08/21

実は病迷悪夢初の挿絵登場かもしれない。

にしても、この二人想像以上に活躍してんな…

せっかくだからコイツら主役にしたスピンオフ書きたいな～…なんて言ってみたり。|дﾟ)ﾁﾗｯ