これまでのあらすじ

『病迷悪夢』
1章.病迷悪夢読者3989 評価34 分岐1
2章.病名不明の病読者1143 評価7 分岐1
3章.夢ギルドでの再会読者757 評価3 分岐1
4章.先輩読者632 評価2 分岐1
5章.影裏読者487 評価0 分岐1
6章.復讐読者508 評価0 分岐2
7章.出会い読者541 評価0 分岐1
8章.植物読者495 評価1 分岐1
9章.初依頼読者402 評価0 分岐1
10章.指名手配の悪夢を探して読者476 評価2 分岐1
11章.交戦開始読者414 評価0 分岐1
12章.交戦後__読者385 評価0 分岐1
13章.初依頼達成読者432 評価0 分岐1
14章.復讐に燃えて読者359 評価0 分岐2
15章.夢の病の裏。読者372 評価2 分岐1
16章.特訓開始読者455 評価0 分岐1
17章.二日目の海にて..読者410 評価0 分岐1
18章.棘葉と拳読者359 評価0 分岐1
19章.来訪、そして女子組入浴読者376 評価7 分岐1
20章.少女入浴中読者356 評価0 分岐1
21章.特訓最終日読者305 評価0 分岐1
22章.影裏のプライド読者350 評価0 分岐1
23章.暗き夜の妖精は夢を見るのか読者325 評価0 分岐1
24章.小さき姫は何を思う読者337 評価0 分岐1
25章.遂に開幕読者318 評価0 分岐1
26章.一回戦開始読者362 評価0 分岐1
27章.速けりゃいいってもんじゃない読者367 評価3 分岐2
28章.二回戦読者314 評価0 分岐1
29章.Bブロック一回戦読者345 評価3 分岐1
30章.有利的な展開読者302 評価0 分岐1
31章.属性?能力?そんなものは読者357 評価2 分岐1
32章.形勢逆転読者268 評価0 分岐1
33章.Bブロック一回戦、終了後読者342 評価2 分岐1
34章.四回戦読者367 評価0 分岐1
35章.反撃開始読者332 評価0 分岐1
36章.夢と現、誠と現読者292 評価0 分岐1
37章.次の試合。どうなる事やら読者300 評価0 分岐1
38章.魂削り取る者読者284 評価0 分岐1
39章.Bブロック二回戦読者372 評価4 分岐1
40章.Gブロック読者302 評価0 分岐1
41章.波乱の幕開け?読者316 評価0 分岐1
42章.Aブロック二回戦決着読者273 評価0 分岐1
43章.光操る者、魂削る者読者278 評価0 分岐1
44章.Bブロック決着読者284 評価0 分岐1
45章.残酷さがある者程____読者324 評価0 分岐1
46章.宿命読者330 評価0 分岐1
47章.棘葉の怒り読者514 評価0 分岐1
48章.メアのアドバイス読者306 評価0 分岐1
49章.Eブロック二回戦白熱読者329 評価1 分岐1
50章.Gブロック読者473 評価0 分岐1
51章.三回戦読者256 評価0 分岐1
52章.メアと阿須魔読者272 評価0 分岐1
53章.これが俺の能力読者379 評価0 分岐1
54章.Eブロック決着読者332 評価0 分岐1
55章.人間か、妖怪か?読者286 評価2 分岐1
56章.準々決勝読者333 評価0 分岐1
57章.魂対炎読者242 評価0 分岐1
58章.襲い狂う魂読者296 評価0 分岐1
59章.オメガオーラ読者384 評価0 分岐1
60章.月崎神の謎読者275 評価0 分岐1
61章.少女が視た未来読者342 評価2 分岐1
62章.現の想い、メアの悪感読者339 評価0 分岐1
63章.烈華と黒い音読者334 評価0 分岐1
64章.古の音色読者389 評価0 分岐1
65章.光と植物読者286 評価0 分岐1
66章.襲い来るメデューサと奇跡のサルビア読者479 評価1 分岐1
67章.溶岩と闇読者458 評価0 分岐1
68章.黒きオメガオーラ読者581 評価0 分岐1
69章.圧倒的読者324 評価0 分岐1
70章.最悪の未来が読者306 評価0 分岐1
71章.準決勝前夜読者278 評価0 分岐1
72章.準決勝開始 音塊に取りつかれた少女読者504 評価1 分岐1
73章.災いの暴食読者312 評価0 分岐1
74章.絶体絶命の危機読者266 評価0 分岐1
75章.災厄……読者453 評価1 分岐1
76章.音塊読者427 評価0 分岐1
77章.闘技場半壊読者322 評価1 分岐1
78章.開幕....読者367 評価2 分岐1
79章.限界の覚醒読者293 評価0 分岐1
80章.反劇読者425 評価0 分岐1
81章.静め始める音塊読者323 評価0 分岐1
82章.悪意の予感読者580 評価0 分岐1
83章.偽の実力、真の実力は?読者549 評価0 分岐1
84章.思い出し読者632 評価0 分岐1
85章.準決勝、二回戦読者423 評価0 分岐1
86章.闇の力読者290 評価0 分岐1
87章.オメガオーラvsオメガオーラ読者519 評価0 分岐1
88章.決勝へ読者299 評価0 分岐1
89章.決勝戦__敵の襲来読者282 評価0 分岐1
90章.試合開始読者302 評価0 分岐1
91章.影裏の過去読者559 評価0 分岐1
92章.決着読者317 評価0 分岐1
93章.決戦、開始読者532 評価0 分岐1
94章.激突読者346 評価0 分岐1
95章.炎vs雷土の猛者読者249 評価0 分岐1
96章.恐ろしき予知読者273 評価2 分岐1
97章.合流読者329 評価0 分岐1
98章.状況は更に上昇して読者248 評価0 分岐1
99章.闇の英雄(ヒーロー)読者455 評価0 分岐1
100章.花が咲く読者313 評価1 分岐1
101章.決着、聞きたい事、更なる襲来読者665 評価0 分岐1
102章.バクの目的読者317 評価2 分岐1
103章.任命読者450 評価1 分岐1
104章.十二騎士の選出読者606 評価2 分岐1
105章.迫り来る悪読者458 評価1 分岐1
106章.調査、遭遇読者374 評価0 分岐1
107章.ジルヘ到着読者526 評価0 分岐1
108章.ジルヘ____無酸素の草原読者524 評価0 分岐1
109章.洞窟の先へ読者641 評価0 分岐1
110章.採掘開始読者555 評価0 分岐1
111章.猛毒のオージュ読者417 評価0 分岐1
112章.デッドリーポイズン・ユニオン読者450 評価0 分岐1
113章.ゴーストの力読者507 評価0 分岐1
114章.ギルド帰還読者452 評価0 分岐1
115章.夢星祭読者322 評価1 分岐1
116章.祭りの始まり読者805 評価0 分岐1
117章.ついに始まる神輿バトル読者305 評価0 分岐1
118章.夢星祭恒例行事読者391 評価2 分岐1
119章.極寒では済まされない場所への行き方読者336 評価1 分岐1
120章.悠と烈華読者289 評価0 分岐1
121章.雪の下読者288 評価0 分岐1
122章.雪の民読者284 評価0 分岐1
123章.捜索読者273 評価0 分岐1
124章.雪の民と少女二人読者541 評価0 分岐1
125章.Battle of the snowy field………start!!読者288 評価0 分岐1
126章.悪夢的な妻たち読者353 評価1 分岐1
127章.襲撃読者343 評価0 分岐1
128章.雪山頂上決戦読者269 評価0 分岐1
129章.島へバカンス読者578 評価1 分岐1
130章.出会いは水上スキーに乗って読者615 評価0 分岐1
131章.海へ読者435 評価0 分岐1
132章.独占関白読者260 評価0 分岐1
133章.決戦の時読者616 評価2 分岐1
134章.第二妻、モノン読者438 評価0 分岐1
135章.vs名無し読者276 評価0 分岐1
136章.独占を止めろ読者478 評価0 分岐1
137章.嫉妬読者552 評価0 分岐1
138章.空の国とは一体?読者286 評価0 分岐1
139章.空の国の試練読者533 評価0 分岐1
140章.天罰もとい試練、の序章読者651 評価0 分岐1
141章.九天山のトラップ読者315 評価0 分岐1
142章.雷降は神の天罰なり読者283 評価0 分岐1
143章.老師読者408 評価0 分岐1
144章.ソニッカ襲来読者382 評価0 分岐1
145章.巨漢の悪夢読者296 評価1 分岐1
146章.GRAVITY 読者341 評価0 分岐1
147章.バクとの連絡読者298 評価0 分岐1
148章.雷鳴神読者295 評価0 分岐1
149章.重力に逆らえる者は神のみか?読者317 評価0 分岐1
150章.神(ゴッド)の力読者439 評価0 分岐1
151章.4つ目の石、少しの休息読者580 評価1 分岐1
152章.宿泊、そして入浴読者709 評価1 分岐1
153章.入浴と恋話読者442 評価1 分岐1
154章.いじめとメアの夢読者435 評価1 分岐1
155章.病迷の科学読者834 評価0 分岐1
156章.ネックレスの秘密読者430 評価0 分岐1
157章.黄金の野望読者403 評価1 分岐1
158章.カジノは本当に楽園なのか?読者580 評価2 分岐1
159章.死のカーニバル読者264 評価0 分岐1
160章.カジノシティ読者346 評価0 分岐1
161章.ギャンブルの沼へ読者466 評価0 分岐1
162章.恐ろしい罠読者456 評価0 分岐1
163章.ロシアンバトル開始読者476 評価0 分岐1
164章.帝斗vsケルベロス読者385 評価0 分岐1
165章.三首を討ち給え読者375 評価2 分岐1
166章.ロシアンバトル第2戦読者379 評価0 分岐1
167章.もしかしてデレたの?読者520 評価1 分岐1
168章.深緑と深い霧読者364 評価0 分岐1
169章.深緑の襲来読者760 評価1 分岐1
170章.ユメノチカラ読者423 評価0 分岐1
171章.死闘開戦読者364 評価0 分岐1
172章.闇は始終存在する読者367 評価2 分岐1
173章.ルビーvs烈華読者466 評価1 分岐1
174章.天照の加護の許読者855 評価0 分岐1
175章.どうせイカサマだし読者311 評価2 分岐1
176章.ガスの力vsモノン&小姫読者487 評価1 分岐1
177章.小姫覚醒…!?読者273 評価1 分岐1
178章.姫を目覚めさせるのは王子様だけ読者352 評価1 分岐1
179章.拳vsシルバー!!読者270 評価0 分岐1
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分岐
結城
17.08.27
743
3
1
拳「________ッ!」

シルバー「おっ、と」




試合が始まってから、少し時間が経っている今



拳はシルバーに攻撃をし続ける






________が、一度も攻撃が当てられていない



シルバーは未だ、無傷である



拳は、幾つか攻撃を受けた痕が見える





________何故だ、何故………




何故、当てられない!?________





シルバー「ッ、ハハハ!お前の運命が手に取るように分かる……」



高らかに笑いながら避ける




拳「運命、だと?!」

シルバー「嗚呼、そうさ!お前の戦い方は法則的だ、見破れば直ぐに分かる、先の動きも手に取る様に分かる。こんな風に、なッ!!」

拳「ぐッ…は……ァッ!!」




避けながら体勢を低くし、そして拳の腹に容赦無い突きを与える



拳の口から、赤黒いモノが出る



________喀血



腹から血が逆流する




拳「グ………ァ…………あぁ……!」




腹を抱えて、手で口を押さえて、蹲る



押さえた手________指の隙間隙間から、赤黒い血が下に垂れる





シルバー「ハハ、嗚呼………消え行くお前も目に見える……バク様が警戒する程でも無かったなァ………」




目を、狂ったかの様に大きく見開き、そして口角を鋭く尖らせながら嗤う





________運命



________________________

悠「拳!!」

烈華「嘘、拳様………!」

徠亜「………おい、メア」

メア「嗚呼、分かってる。…………出血量が、尋常じゃない」

________此の儘だと、大量出血で死ぬ………________



棘葉「……奴、まるで先を見ている様だった。



________未来を視ている様だった」




そう、シルバーはまるで、先の未来を視ているかの様に戦っていた




________『シルバーの能力はかなりチートだ………!』________




________チート、反則級



未来を見据えている、先の未来が視えている





そして別の者は、先の戦いを見て言う




________拳が、シルバーの掌の上で転がされている様だ、と





未来予知、掌の上で転がされている…………





……………




________真逆、あの能力か________



何か、察しの付いたメア





メア「……奴の能力は、『運命を操る』能力」

徠亜「運命を操る、だと?!」

メア「そう。奴は拳に、『お前の運命が手に取るように分かる』と言った。



そして、先を見据えている様な………否、見据えている行動。


運命を操る力は、未来予知、そして未来変換________相手の未来を自在に操作する力を持つ。



________拳は、シルバーの好きな様に動かされていた」




メアが其処まで言うと、ゴールドのハハハ、と笑う声がする





ゴールド「ッ、ハハハハハッ!!此の時点でもう気付く奴が居たか………奴の能力に気付いたのは、部外者ではお前が初めてだ。




そうさ、シルバーの能力は運命を操る事。運命は先へ先へと進む、逆らえない事だ。其れを、自由自在に操る事が出来る。




故に、奴の力は反則級。誰も、指定された運命に逆らう事なんて出来ないんだよ」




膝上でスヤスヤと眠っている小姫の頭を優しく撫でながら、ニコリと微笑む





メア「お褒めの言葉、どうも。何せ、知り合いに同じ能力を持った奴が居るからねぇ。



指定された運命に逆らえない、ね。其れは如何かな。


私は運命に逆らう事は"殆ど無いけどな"」




最後の一言だけ、強調して言う




帝斗「逆らう事は、"殆ど無い"………?


と言う事は、逆らう事が………」

メア「嗚呼、出来る。如何やるのかは、秘密だけど。




………却説、相手の能力も分かった。………だが、拳が危ういな」




モニターに映る拳とシルバーの姿



シルバーは未だ無傷


拳は、身動きが取れない状況



そんな中、シルバーは拳に容赦無い攻撃を与え続ける




悠「拳、拳…ッ!!メア………拳が……!」

徠亜「……不味いな、直視出来ない代物になってる。……回復、出来るか」

メア「言われなくても、私は行く。………治せるが、傷が深過ぎる。何時もやっている治癒魔法は、全部治せるが………其れでも危ういと見た」




________アレを使うしか無いか……?________




チラリと、腰に掛けてあるベルトを見る





________だが、此れは………………。




…………否、今はそんな事関係無い。




命を繋ぐ事が優先だ________






メア「………誰か、ピストル貸して、元々参加しない予定だったから、持ってないんだよね。あと、小姫を預かっててくれない?」

銃菜「あっ、小姫は私が預かってる。あと、此れ、ピストル」

メア「有難う」




銃菜からピストルを受け取り、そして小姫を預ける




ピストルを、引く________





パァン




姿が、消える





________________________

拳「グ…………………く、そ………これ、で、お…………わり、に………なんて….」




俯せになり、その下には直視出来ない程の量の血溜り



小さく、微かに、息を吐きながら



苦しそうに、言う




だが、そんな拳の目の前には、トドメを刺そうとしている狂気な笑みを浮かべたシルバーの姿________






シルバー「ァハハハ!!いいや、お前は此処で終わりだ。





さらば、地に這いつくばった愚かな人間よ。


________ハァッ!!」

拳「ッ…………」



________俺は、俺は此処で終わってしまう、のか…………?________




もう、反撃する力も、気力も残ってない




死を覚悟して、目をギュッと閉じ________________




「……殺させはしない」




頭上から、少女の綺麗な、透き通った声がする




シルバー「あん?………ッ?!」

拳「……………?」


________誰、だ……?________





少女は、トドメを刺そうとしたシルバーの手を上に払い________





「________……ハァッ!」

シルバー「グゥッ!?」





シルバーの腹を、掌で突く



________のではなく、掌を前に突き出し、風圧を発生させ、シルバーの身体を吹っ飛ばす



……………………………





「おい、大丈夫か拳!」



俯せになっている拳を、仰向けにする




拳「………ッ………な、んだ………メア、か…………」




大量出血から、意識が朦朧としている




メア「…………意識はあるな。一寸待ってて。



"慈愛に満ちたる天の光よ、それは天使の息吹なり、全ての者を癒せ"________《『死霊秘宝 - 黒魔術・天光治癒(エンジェルブレス)』》」



治癒を行う



だが………



________…………不味いな、思った以上に傷が深い。




治ってはいても………………。




……………………




矢張り、アレを使うしか………________






ベルトに手を掛ける



其処には、小さいポケットが付いている



ポケットを漁り、一本のガラス管を出す



その中には、紅いナニカの液体…………






________火使いの悪夢の住人の血液………一年前に討伐した時に、血の入ったガラス管が落ちていた。



調べれば、其奴と思える、属性反応。




然も、瀕死の奴に飲ませれば即座に回復するという、回復アイテムの一種。



だが、飲んだら最後、人間では無くなる。




…………拳も丁度火使い、能力の相性も良し。





………………やるしかない________




「ッ………ぐ………手前、よくも……!」




遠くの方で、吹っ飛ばされたシルバーの声がする


立ち上がったか




メア「………チ、タイミングが悪い。《『死霊秘宝 - 召喚・屍鬼(ボコール・アンデッド)』》、吸血鬼!」



魔法陣を展開


出て来たのは何時もの吸血鬼




「…………お呼びか、主人」

メア「………おっと、珍しい、アンタが出てくるなんて。







________ヴラド・ツェペシュ」






________とはまた違った、美男子吸血鬼






ヴラド・ツェペシュ



吸血鬼と言えば此奴、と言われる程の所業をやったのは有名な話である



因みに滅多にと言って良いほど出て来ない






メア「……まあ良いや、奴を足止めしといて。殺しちゃ駄目」

ヴラド「難しい話だな、まあ、分かった」




手を鳴らすヴラド




シルバー「くッそ手前、邪魔をするなァァァ!!」

ヴラド「主人にやられ、自棄になったか。先刻の狂気さは何処へか。



……却説、運命を操る力、見せてみ給え未熟者よ」

________足止めしとけ、か。



まあ、本当の相手は其処の少年である故………________




一時の開戦







________却説、






メア「漸と治療が出来る。






と言っても、此れ飲んでもらうだけだが………」




右手で血の入ったガラス管の蓋を開ける


ちゃぷん、と血が揺れる





拳「………な、んだ………それ…………」

メア「飲め、飲むだけで良い。何かは聞くな。聞きたければ後で教える」

拳「んぐ……っ!?」




指で拳の口を開き、血を注ぎ込んで強制的に飲ませる




拳「ん、ぐ………!!?」




少しばかり、口角から溢れる



然し確実に、悪夢の住人の血は拳の身体の中に入っている




ガラス管が空になった



其れを放り投げる



遠くで、パリンとガラスの割れる音がする



ガラス管が無くなり、空いた右手で何かを手に引き寄せる動作をするメア


ニヤリと、口角を小さく上げ、笑いながら言う





メア「夢世界に来て此れをするのは初めてだ。《『ケミカルリアクション』》!」




何かを引き寄せた右手が、小さく輝く


其処には、一枚のカード………________



メア「"オレモス、エスペレモス、デディケモス………祈り、願い、捧げましょう"________…………ふふふ、お前は一度死んだ。人間として、死んだ。



我が加護の下に、混血悪魔として生きなさい。



________火之神 拳よ。







《『レヘネラション・デ・ラ・セルラ』》!!」

拳「ッ、ぐ、………ァ、ァァ………アアアアアアアア!!!?」




『レヘネラション・デ・ラ・セルラ』________細胞再生




別種の血液を飲ませただけでは駄目

何故なら、其の儘飲ませたら、身体が保たない



だから、細胞再生________細胞を再構築させる



丁度、拳の身体は傷付いていた


幾つかの細胞が壊れていた



だから、再構築がし易い




血液を身体に馴染ませつつ、新しく作り直し、再生させる





拳「ァ…………が、ァ……………ッッ………アアアアアアアアッッ!!!」





拳の悲鳴が、此の空間を貫く





シルバーとヴラドは、拳の方を見る



シルバーは目を見開き


ヴラドは目を細め、フッと笑う




シルバー「………ッ……!!?」

ヴラド「………主人も私も、任務完了、か」




スゥ………と消えるヴラド




拳「………ッ……………」




ゆっくりと………




メア「立て」




拳「ッ………グ…………!」




ゆっくりと………




メア「立て!火之神 拳!!」




拳「ッ…………グ………ゥ…………ウオオオオオオオオオオッッ!!!」




一気に、立ち上がる





身体から、膨大な量の炎が湧き上がる



膨大な量の、闘力が溢れる





拳の髪は、赤と黒になり、逆立っている



そして右目は、最早人間のモノではなくなっていた





白目は黒目に変わり、黒目は赤くなる


右目に、一つの切れ目が入っている




メア「………ッふふ、大成功。気は引けるが、混血となった。





さあ、運命を破れ。先の事は、他人に決められずに、自分で作りやがれ人間!!」




………静かに、何時もの拳とは違って、ニヤリ……と笑い




拳「……嗚呼…………分かったよ。





シルバー、手前の作る運命とやら…………



壊してやるよ…!!」

シルバー「ッ………!?」



________何だ、此の気迫は………。




クソッ、此奴の先が視えない………!



運命が、変えられない……!!________






メア「………能力の弱点、発見。



自分より強い奴の運命は変えられない、ってか」




________結局、弱い者苛めしか出来ないって事________






拳「ッ……フンッ!!」

シルバー「がァッ!!」

________くそ、クソ………クソッ!!




奴、俺より遥かに強くなってる……!




人間の気じゃない、俺等同属の気も入ってやがる………然も、此の気は彼奴の………!



彼奴の血を持ってたのは、此奴を回復させた女………。




真逆あの女………彼奴を倒して、此の血を手に入れたのか………?!



馬鹿な、彼奴は………彼奴は………ッ




俺等よりも位は低かったが………





バク様と同等の力を持ってた同属…………!




其の血が、今度は此の人間の中に入っただと………




負ける、此の儘だと負ける!




クソ、クソッ………________




シルバー「クソ、ガァァァァァァァァァァッ!!!」

拳「ウオオオオオオオオオオオラァッ!!」




自棄になり、拳に攻撃をする




が、力は拳の方が上手だった




拳「《『燦火・覇王紅蓮拳』》!!」

シルバー「ガァァァァァァァァァァッ!!!」




燦々と輝く炎


悪夢となりながら、其の光はとても神々しい





白く輝く、熱い熱い炎を纏った腕が、シルバーの身体を焼き貫く




其の炎でシルバーの身体は焼かれ




________消滅






________勝者、火之神 拳





メア「………うん、私の治療が良かった。



力を、使いこなせたな」



小さく笑う




拳「ハァ………ハァ…………….ッ………」




二人の姿が、其処から消える


________________________


メア「……ッ、ふう」

拳「ッ…………ァ………」

悠「ちょっ、拳?!」



戻って来た途端、拳が膝から落ちる



咄嗟に受け止める悠




帝斗「………様子が……………此れは………真逆!」

徠亜「おいメア。拳に何をした?!」



徠亜が怒鳴る


其れに、小さく笑った儘



メア「………何を、ね。………彼は死んだ。もう、致命傷だった。所詮は人間さ。



だが、蘇生出来る余地はあった。だから、飲ませたのさ。悪夢の住人の血を。



………大丈夫、自我は保てるようにしてある。普通に飲ませるよりかは、細胞と上手く合わせて、構築させた。




人間と悪夢の住人の混血となって、生き返ったの。




________出来れば、したく無かったんだがな。此れしか方法が無かった。




私は蘇生だって普通に出来る。でも、普通の蘇生だけは絶対にしたく無いんだ。



………世の理を反さないで治す方法は、此れしか無かった。其れだけだ。




………ま、力は使いこなせても、未だ慣れてないんだろうね、膝から落ちたって事は」




長々と、然ししんみりと話す




徠亜「………そうか」




________もう、仲間は居なくなった



ゴールドが小さく震えている



ゴールド「馬鹿な、馬鹿な…………シルバー迄もやられるなんて………!



其れに、其の人間から発せられる気は…………彼奴の気…………。



手前、何処で其の血を手に入れた?!



如何やって、其の血の持ち主を倒した!?」

メア「………え、そんなになる事?そんなに彼奴の血は凄いのか?




っと、一つ訂正。倒した、じゃないね。殺したの。



如何やって?普通にさ、普通に殺したの。一突きさ。幾ら強かろうが、殆ど皆弱点は同じ。





……何、そんなに強いの?」




徐々に笑みに狂気さが混ざっていくメア



ゴールド「奴は………一年前に行方知れずになった。よく外を出歩く奴だったからな………。


やられた、なんて言われた。だが、そんな筈は無い!何せ奴は当時、バク様と同等の力を持ってたからな……………




だが、今分かった。奴は殺された。




そして、其の血があの人間の中に入った。







…………人間如きに、もう負けてたまるか!!次は……否、最後は俺が相手だ!!」








真逆真逆の衝撃の事実、死闘の24勝

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筆者:Kd  読者:268  評価:0  分岐:1

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このストーリーの評価

結城 #0 - 17/08/27
すんまそい、喀血じゃねぇ、吐血だ


(喀血は呼吸器系、吐血は消化器系。


血の色は喀血が明るくて、吐血が黒いらしい。くっそちゃんと再確認しときゃよかった)

Kd #0 - 17/08/27
面白い
ちなみに闘いが終わると元の姿に戻ります。

Kd #0 - 17/08/27
すごく面白い☆
お疲れさん!!

てか覚醒やばすぎるほど強い!!

結城 #0 - 17/08/26
【悲報】拳君が最早高校生じゃなくなりました(絵の話)

普通に成人にしか見えなくなりましたすいません……_|\○_



そして、吃驚するほど長くなりました、多分7000字は行ったんじゃないかな



内容深く考えたら、こうなりました。3時間掛かったぞい

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