これまでのあらすじ
『私の声が届くまで』
この物語は 恋愛 です
息が詰まるような時間をじっと耐えて、やっと放課後になった。
創馬君に会いたい。
この鉄のように冷えて固まった心も、創馬君に会えば溶けて柔らかくなるような気がした。
創馬君のいるアリアドネ学び園までは少し距離があるけど、日の長い今の季節、太陽の色は変わることなく私を見送った。
定時制…というのだろうか。
私の通う学校は全日制で、平日は朝から夕方まで授業がある。
定時制の学校は授業がある日に取り決めはなく、時間も様々だと聞いたことがある。
アリアドネ学び園は定時制の学校の中でも珍しいらしい。
何が違うのかはわからないが、創馬君の笑顔を思い出すと何よりも特別に感じた。
アリアドネ学び園の門が見えてきた。
前のように建物の外から中を覗いて目を凝らすと、創馬君を見つけた。
声をかけられない私は、気づいてもらえるよう心の中で念じるしかなかった。
創馬君は背の高い男の子とちょっと真面目な顔をして話していたかと思うと笑顔になったり、怒ったような顔を見せたかと思うと優しく破顔したりした。
その時、私の中で何かがぎゅうっときつく握りつぶされた気がした。
そんなにたくさんの表情、私は見たことがなかった。
私の前では、創馬君は人を安心させるような笑顔を崩さなかった。
気を使ってくれていたんだろうか。
やっぱり、口のきけない人なんかより、一緒に話せる友達のほうがいいよね。
その日はとても創馬君に会えるような気持ちではなくなり、それからはまっすぐ家に帰った。
やっぱり神様は、不公平なんだ。
創馬君に会いたい。
この鉄のように冷えて固まった心も、創馬君に会えば溶けて柔らかくなるような気がした。
創馬君のいるアリアドネ学び園までは少し距離があるけど、日の長い今の季節、太陽の色は変わることなく私を見送った。
定時制…というのだろうか。
私の通う学校は全日制で、平日は朝から夕方まで授業がある。
定時制の学校は授業がある日に取り決めはなく、時間も様々だと聞いたことがある。
アリアドネ学び園は定時制の学校の中でも珍しいらしい。
何が違うのかはわからないが、創馬君の笑顔を思い出すと何よりも特別に感じた。
アリアドネ学び園の門が見えてきた。
前のように建物の外から中を覗いて目を凝らすと、創馬君を見つけた。
声をかけられない私は、気づいてもらえるよう心の中で念じるしかなかった。
創馬君は背の高い男の子とちょっと真面目な顔をして話していたかと思うと笑顔になったり、怒ったような顔を見せたかと思うと優しく破顔したりした。
その時、私の中で何かがぎゅうっときつく握りつぶされた気がした。
そんなにたくさんの表情、私は見たことがなかった。
私の前では、創馬君は人を安心させるような笑顔を崩さなかった。
気を使ってくれていたんだろうか。
やっぱり、口のきけない人なんかより、一緒に話せる友達のほうがいいよね。
その日はとても創馬君に会えるような気持ちではなくなり、それからはまっすぐ家に帰った。
やっぱり神様は、不公平なんだ。
続きを選択して下さい
筆者:さし 読者:352 評価:0 分岐:1