これまでのあらすじ

『私の声が届くまで』
この物語は 恋愛 です
1章.私の声が届くまで読者597 評価2 分岐2
2章.声のない歌読者456 評価0 分岐1
3章.ごめん…… 読者423 評価0 分岐1
4章.手のひらに読者363 評価0 分岐1
5章.僕のために読者352 評価0 分岐1
6章.私の声、届くの?読者367 評価0 分岐1
7章.君の声読者326 評価0 分岐1
8章.たんぽぽ読者313 評価0 分岐1
9章.また会えたね読者314 評価0 分岐1
10章.ぽかぽか読者318 評価0 分岐1
11章.つめたい時間読者301 評価0 分岐1
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唐笠
14.10.27
321
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1
息が詰まるような時間をじっと耐えて、やっと放課後になった。

創馬君に会いたい。

この鉄のように冷えて固まった心も、創馬君に会えば溶けて柔らかくなるような気がした。

創馬君のいるアリアドネ学び園までは少し距離があるけど、日の長い今の季節、太陽の色は変わることなく私を見送った。


定時制…というのだろうか。
私の通う学校は全日制で、平日は朝から夕方まで授業がある。
定時制の学校は授業がある日に取り決めはなく、時間も様々だと聞いたことがある。

アリアドネ学び園は定時制の学校の中でも珍しいらしい。

何が違うのかはわからないが、創馬君の笑顔を思い出すと何よりも特別に感じた。


アリアドネ学び園の門が見えてきた。
前のように建物の外から中を覗いて目を凝らすと、創馬君を見つけた。

声をかけられない私は、気づいてもらえるよう心の中で念じるしかなかった。

創馬君は背の高い男の子とちょっと真面目な顔をして話していたかと思うと笑顔になったり、怒ったような顔を見せたかと思うと優しく破顔したりした。


その時、私の中で何かがぎゅうっときつく握りつぶされた気がした。


そんなにたくさんの表情、私は見たことがなかった。

私の前では、創馬君は人を安心させるような笑顔を崩さなかった。

気を使ってくれていたんだろうか。


やっぱり、口のきけない人なんかより、一緒に話せる友達のほうがいいよね。

その日はとても創馬君に会えるような気持ちではなくなり、それからはまっすぐ家に帰った。

やっぱり神様は、不公平なんだ。

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筆者:さし  読者:352  評価:0  分岐:1

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