これまでのあらすじ
『スピンオフ作品』
「ジェラネェ!ヤバい仕事見つけた!」
ギルドの依頼掲示板を眺めていたモノンが子供のようにはしゃいでいた。その手には一つの依頼が握られている。
「…脅迫状が届いたので調べて欲しい…。別に、只の依頼に見えますが?」
「ちーがーうー!内容じゃなくて場所のこと!」
モノンに促され依頼場所を見てみると『温泉の町ヒイズルの旅館カント』と書かれていた。
「まぁ…確かカントは…」
「そう!最近話題になってきた人気旅館!そんな場所に仕事で行ける!最高じゃん‼」
そう言ってモノンはカントだけででたらめに鼻歌を歌い出す、どうやらもうすでに行く気満々のようだ。そんな彼女をジェラは苦笑しつつたしなめた。
「ですが所詮は仕事ですよ?おちおち温泉など入っている余裕が…」
「あー…それなんだがよ、そこには書いてないが温泉は館長のご厚意で入り放題なんだが…」
「慎んでお受け致しますわ。」
ギルド従業員の一押しでジェラの目の色が変わった。すでにその手には桶が握られていた…
旅館カントにて、ジェラとモノンが依頼でやって来たと伝えると小柄ないかにも善良そうな中年が応対してきた。
「いやー夢ギルドの方々、お待ちしておりました!私、館長のクサツと申します。」
「館長自ら応対していただき感謝致しますわ。私はジェラと申します。こちらはモノン、私の妹分のようなものですわ。」
「よろしく~、早速だけど脅迫状ってやつ見せてくれる?」
「ええ、こちらになります…ああ、一応他のお客様もいるので内容はご内密に…」
クサツがおずおずと出した脅迫状には『今夜の夕食時に客を1人ランダムに殺す。』と簡潔に述べられていた。
「…想像以上に情報が少ないね。」
「何か心当たりはございますか?誰かに恨まれるとか…」
「そんな、生まれてこのかた喧嘩のケの字もしたことがありませんもので…」
「イタズラの線は?」
「…最初は私もそう思いました。でもこれと一緒にズタズタにされた人形が同封されていて…それで、普通じゃないって感じて…それで…」「…ぅさん、お父さん。」「ひゃあ!」
突然の呼び掛けにクサツは腰を抜かした。声の主は緑色の髪を短く清潔に切り揃え、赤い手拭いを頭に巻いた少女だった。お茶を持って蝋人形のように突っ立っている。
「お…お前か…脅かさないでくれ。それで?どうしたんだ?」
「…ぉ客さんに…お茶…」
そう淡々と告げるとお茶をおいて一礼して去っていった。
「…今の子は…」
「あぁ、私の娘でアタミと言います。働き者ですが、あの通り無愛想でして…お気に触りましたか?」
「別に、ただなつかし~な~って。」
「…?はぁ…」
「…そうですね、私達としては変に探りを入れて犯人を刺激するといけないので脅迫状に書かれている夕食時まで一般客を装っていこうと思うのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。そちらの方が他のお客様に不安を与えませんし。では、お部屋に案内致します。」
ギルドの依頼掲示板を眺めていたモノンが子供のようにはしゃいでいた。その手には一つの依頼が握られている。
「…脅迫状が届いたので調べて欲しい…。別に、只の依頼に見えますが?」
「ちーがーうー!内容じゃなくて場所のこと!」
モノンに促され依頼場所を見てみると『温泉の町ヒイズルの旅館カント』と書かれていた。
「まぁ…確かカントは…」
「そう!最近話題になってきた人気旅館!そんな場所に仕事で行ける!最高じゃん‼」
そう言ってモノンはカントだけででたらめに鼻歌を歌い出す、どうやらもうすでに行く気満々のようだ。そんな彼女をジェラは苦笑しつつたしなめた。
「ですが所詮は仕事ですよ?おちおち温泉など入っている余裕が…」
「あー…それなんだがよ、そこには書いてないが温泉は館長のご厚意で入り放題なんだが…」
「慎んでお受け致しますわ。」
ギルド従業員の一押しでジェラの目の色が変わった。すでにその手には桶が握られていた…
旅館カントにて、ジェラとモノンが依頼でやって来たと伝えると小柄ないかにも善良そうな中年が応対してきた。
「いやー夢ギルドの方々、お待ちしておりました!私、館長のクサツと申します。」
「館長自ら応対していただき感謝致しますわ。私はジェラと申します。こちらはモノン、私の妹分のようなものですわ。」
「よろしく~、早速だけど脅迫状ってやつ見せてくれる?」
「ええ、こちらになります…ああ、一応他のお客様もいるので内容はご内密に…」
クサツがおずおずと出した脅迫状には『今夜の夕食時に客を1人ランダムに殺す。』と簡潔に述べられていた。
「…想像以上に情報が少ないね。」
「何か心当たりはございますか?誰かに恨まれるとか…」
「そんな、生まれてこのかた喧嘩のケの字もしたことがありませんもので…」
「イタズラの線は?」
「…最初は私もそう思いました。でもこれと一緒にズタズタにされた人形が同封されていて…それで、普通じゃないって感じて…それで…」「…ぅさん、お父さん。」「ひゃあ!」
突然の呼び掛けにクサツは腰を抜かした。声の主は緑色の髪を短く清潔に切り揃え、赤い手拭いを頭に巻いた少女だった。お茶を持って蝋人形のように突っ立っている。
「お…お前か…脅かさないでくれ。それで?どうしたんだ?」
「…ぉ客さんに…お茶…」
そう淡々と告げるとお茶をおいて一礼して去っていった。
「…今の子は…」
「あぁ、私の娘でアタミと言います。働き者ですが、あの通り無愛想でして…お気に触りましたか?」
「別に、ただなつかし~な~って。」
「…?はぁ…」
「…そうですね、私達としては変に探りを入れて犯人を刺激するといけないので脅迫状に書かれている夕食時まで一般客を装っていこうと思うのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。そちらの方が他のお客様に不安を与えませんし。では、お部屋に案内致します。」
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筆者:ハゴ 読者:450 評価:0 分岐:1
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Kd #0 - 17/08/25
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草津、熱海…全部温泉がある名前の由来ですね。