これまでのあらすじ
『スピンオフ作品』
─···ァァァアアア!!
巨木が密集する森の中を年頃の女二人が暴走するダンプカーのような巨大ウサギに追いかけまわされる。
第三者目線で見ればこれほどまでに理解不能なコメディ映画のワンシーンのような状況に笑いをこらえるのが精一杯だろう。
だが、逃げている本人達からすればそんな悠長な話ではない。
「も…もう限界ですわ!モノン、貴方の能力で一旦この場を離れましょう!」
「離れるって何処に!?」
この世界に足を踏み入れたものは大なり小なりの特殊な能力を身に付ける。
モノンが持つ能力は『穴』、空間に穴を開け別の場所に移動できる能力である。
「ジェラネェ、ここはこのまま走って逃げて森から出ちゃおう。幸いこっちが若干速いし、外で待機してるはずのオバハンがピピンちゃんなんとかするでしょ!?」
「…っ!そううまくいけば良いのですが!」
だが、モノンのたてた計画通りにいけば依頼は達成する。それはとても魅力的だった。ジェラ達はこのまま逃げ続ける方針でいくことにした。
一方、同時刻·同じ場所にて三人の武装した男達がさ迷っていた。
「畜生、こんだけうっそうとしているのに珍獣どころか小動物すらいねえ。どうなっていやがる…」
「この森はハズレですねぇ、アニキィ…」
「んだんだ。」
この男達は動物を乱獲し、大金を巻き上げるいわゆる密猟者と呼ばれる集団だった。これだけの密林なら高値で売れる珍獣が居るかと思っていたが、検討違いだったのだろう。皆肩を落として帰ろうとしていた。
そんな彼らの目の前に言葉を失うものが爆走してきた。
女二人が巨大ウサギに追いかけられているのである…!
リーダー格の男は動揺しながらも笑みを浮かべた。
「あの女どもは女神に違いねぇ、お前ら銃を構えろ!絶対に仕留めるんだ。」
「アニキィ、その女神様はどうすんで?」
「んだんだ。」
「さあね、女神だから奇跡でなんとかするだろ?」
「…もったいねぇ~、一生で会えるか会えないかのべっぴんなのに…」
そう言いつつも男達は引き金を躊躇なく引いた。
「「…!!?」」
ジェラとモノンは目の前に現れた男達の行動に驚愕した。逃げるどころか銃を構えぶっぱなしてきたのだ。
常人ならこの凶弾になすすべがない。
─常人なら。
ジェラは日傘から刀を引き抜き弾丸を叩き落とし、モノンはハンドガンで弾丸を撃ち落とした。
「え?」「は?」「んだ?」
男達は予想の右斜め上の結末にその場で固まる。そこにキツイ一撃がとんだ。
「余計な」「真似を」
「「するなぁ‼」」
モノンの飛び蹴りにジェラの峰打ちで男二人がたちまちグロッキーになる。リーダー格の男は後から来たピピンちゃんに撥ね飛ばされた。
「本当に奇跡を…」
「起こしやがった…」
「んだぁ…」
森の外にある豪邸の庭で貴婦人と召し遣いが心配そうに見つめる。そこにジェラとモノンが飛び出してきた。
「「ダァー!!」」
「お二方、ご無事で。」
「ピピンちゃん!ピピンちゃんはどうなったザマス!」
「後三秒もすればくるからぁー!!」
モノンの宣言通り、三秒後興奮したピピンちゃんが飛び出してきた。
が、
「んまぁー!ピピンちゃん!ふんっ、せやぁ!」
感動の再会に感極まった貴婦人がピピンちゃんをがっしりと受け止め、キツイプロレス技パワーボムを決めた。
「ピピンちゃん!んまぁーピピンちゃん!無事で何よりザマス~‼」
「「…」」
「…ご安心を、あれはいつもの愛情表現でございます。」
納得いかないといった二人に召し遣いが説明とお礼を述べる。
「この度は奥様の依頼を受けていただき感謝致します。こちら、報酬の別荘の合鍵になります。先ほど掃除をしてきたのですぐご使用出来るかと。」
「サンキュー、おっちゃん。」
「…途中で密猟者と思われる男達と出くわしましたわ。少し揉めてやむなく叩きのめしましたの。峰打ちだから平気とは思いますが…」
「かしこまりました。一応捜索隊を手配いたしましょう。では、私はこれで…」
「あ、そうだおっちゃん。そのオバハンに伝えて欲しいことがあんだけど。」
「いかが致しましたか?」
「ピピンちゃんのために雌のウサギ飼ったげて。」
─ピピンちゃん捜索依頼…完了─
巨木が密集する森の中を年頃の女二人が暴走するダンプカーのような巨大ウサギに追いかけまわされる。
第三者目線で見ればこれほどまでに理解不能なコメディ映画のワンシーンのような状況に笑いをこらえるのが精一杯だろう。
だが、逃げている本人達からすればそんな悠長な話ではない。
「も…もう限界ですわ!モノン、貴方の能力で一旦この場を離れましょう!」
「離れるって何処に!?」
この世界に足を踏み入れたものは大なり小なりの特殊な能力を身に付ける。
モノンが持つ能力は『穴』、空間に穴を開け別の場所に移動できる能力である。
「ジェラネェ、ここはこのまま走って逃げて森から出ちゃおう。幸いこっちが若干速いし、外で待機してるはずのオバハンがピピンちゃんなんとかするでしょ!?」
「…っ!そううまくいけば良いのですが!」
だが、モノンのたてた計画通りにいけば依頼は達成する。それはとても魅力的だった。ジェラ達はこのまま逃げ続ける方針でいくことにした。
一方、同時刻·同じ場所にて三人の武装した男達がさ迷っていた。
「畜生、こんだけうっそうとしているのに珍獣どころか小動物すらいねえ。どうなっていやがる…」
「この森はハズレですねぇ、アニキィ…」
「んだんだ。」
この男達は動物を乱獲し、大金を巻き上げるいわゆる密猟者と呼ばれる集団だった。これだけの密林なら高値で売れる珍獣が居るかと思っていたが、検討違いだったのだろう。皆肩を落として帰ろうとしていた。
そんな彼らの目の前に言葉を失うものが爆走してきた。
女二人が巨大ウサギに追いかけられているのである…!
リーダー格の男は動揺しながらも笑みを浮かべた。
「あの女どもは女神に違いねぇ、お前ら銃を構えろ!絶対に仕留めるんだ。」
「アニキィ、その女神様はどうすんで?」
「んだんだ。」
「さあね、女神だから奇跡でなんとかするだろ?」
「…もったいねぇ~、一生で会えるか会えないかのべっぴんなのに…」
そう言いつつも男達は引き金を躊躇なく引いた。
「「…!!?」」
ジェラとモノンは目の前に現れた男達の行動に驚愕した。逃げるどころか銃を構えぶっぱなしてきたのだ。
常人ならこの凶弾になすすべがない。
─常人なら。
ジェラは日傘から刀を引き抜き弾丸を叩き落とし、モノンはハンドガンで弾丸を撃ち落とした。
「え?」「は?」「んだ?」
男達は予想の右斜め上の結末にその場で固まる。そこにキツイ一撃がとんだ。
「余計な」「真似を」
「「するなぁ‼」」
モノンの飛び蹴りにジェラの峰打ちで男二人がたちまちグロッキーになる。リーダー格の男は後から来たピピンちゃんに撥ね飛ばされた。
「本当に奇跡を…」
「起こしやがった…」
「んだぁ…」
森の外にある豪邸の庭で貴婦人と召し遣いが心配そうに見つめる。そこにジェラとモノンが飛び出してきた。
「「ダァー!!」」
「お二方、ご無事で。」
「ピピンちゃん!ピピンちゃんはどうなったザマス!」
「後三秒もすればくるからぁー!!」
モノンの宣言通り、三秒後興奮したピピンちゃんが飛び出してきた。
が、
「んまぁー!ピピンちゃん!ふんっ、せやぁ!」
感動の再会に感極まった貴婦人がピピンちゃんをがっしりと受け止め、キツイプロレス技パワーボムを決めた。
「ピピンちゃん!んまぁーピピンちゃん!無事で何よりザマス~‼」
「「…」」
「…ご安心を、あれはいつもの愛情表現でございます。」
納得いかないといった二人に召し遣いが説明とお礼を述べる。
「この度は奥様の依頼を受けていただき感謝致します。こちら、報酬の別荘の合鍵になります。先ほど掃除をしてきたのですぐご使用出来るかと。」
「サンキュー、おっちゃん。」
「…途中で密猟者と思われる男達と出くわしましたわ。少し揉めてやむなく叩きのめしましたの。峰打ちだから平気とは思いますが…」
「かしこまりました。一応捜索隊を手配いたしましょう。では、私はこれで…」
「あ、そうだおっちゃん。そのオバハンに伝えて欲しいことがあんだけど。」
「いかが致しましたか?」
「ピピンちゃんのために雌のウサギ飼ったげて。」
─ピピンちゃん捜索依頼…完了─
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筆者:ハゴ 読者:352 評価:1 分岐:1
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このストーリーの評価
Kd #0 - 17/08/24
すごく面白い☆
面白かったです!これからの活躍期待大です!!
ハゴ #0 - 17/08/24
ピピンちゃん捜索編は終了です。このあとも新章を繋げていくのでお楽しみに。