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『スピンオフ作品』
1章.スピンオフ作品読者1269 評価13 分岐13
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ハゴ
17.08.21
372
2
1
夢ギルド


それは夢世界で起こる様々な問題を解決する組織である。現在は十二騎士団なるものを結成し、幻影の石を捜索する任務が主だが無論、それ以外にも問題は発生する。
例えば

「家のピピンちゃんを探して欲しいザマス!」

このように貴婦人が唾を撒き散らしながらペットの捜索を頼み込む。そんなこともあったりなかったりする。

「…このオバハン、ギルドのシステム理解してねーし。面倒クセー。」

「マダムに失礼ですわよ、モノン。」

このお騒がせな客を応対しているのは二人の女性である。
一人は紫色のワンピースを着て同色の婦人用帽子を被っている。その帽子に添えるユリのコサージュとそこから覗く顔は新雪でさえ薄汚れて見えるほどに真っ白である。
もう一人は彼女とはまるで真逆、ピンク色のビスチェにコートを羽織りホットパンツから伸びる健康的な脚は褐色に綺麗に焼けている。そして何より彼女が腕を組んだり脚を組み直したりするたびに『見ろ』と言わんばかりに突き出た胸が蠱惑的に揺れた。

彼女達─ジェラとモノン─は最近ギルドに加入した新人である。複雑な事情から家を失っている二人は現在ギルドに住み込みという形をとっているが、今回はそれが災いし婦人の御守りを任された。
見も蓋もなくいってしまえば厄介者を押し付けられたことになる。

モノンはこのお騒がせな客が苦手なのか、そもそも興味がないのか、話半分に雑誌を読んでいる。故にジェラが話を進めようとするが、

「要点は理解致しました。では、そのペットの特徴を…」
「失敬な!ピピンちゃんは私の家族ザマス!」

「…では、その御家族の特徴を…」
「ピピンちゃんはピピンちゃんザマス!」

「……ですから特徴を……」
「きっとピピンちゃんはお庭の近くの森に迷い込んだザマス!早く探すザマス!」

興奮しているのか、一向にこちらの話を聞かず言いたいことだけをわめいている。ジェラも匙を投げかけた時、モノンが雑誌をパタンと閉じた。

「はいはーい依頼内容はわかりまーした~。ピピンちゃん心配だねー、今すぐ探してあげるから森に案内して。」
「そうゆうと思っていたザマス!すぐ召し遣いに案内させるザマス!」

「それと探すのに必要だからピピンちゃんの写真と好物をそっち持ちで用意して。」
「必要経費として割り切るザマス!到着するまでに用意させるザマス!」

「ああ後報酬はアタシら今家無しだから家欲しい。」
「わかったザマス!中心街にある使ってない別荘を報酬にするザマス!」

「はい決まり~この話終了~、さてジェラネェ、愛しのピピンちゃん探しだ。」

そう言ってモノンはウインクする。ジェラは呆れたように肩をすくめた。

「最初からそうすれば楽だったのに…」

ジェラは日傘を片手にモノンについていった。

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筆者:ハゴ  読者:405  評価:3  分岐:1

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このストーリーの評価

ハゴ #0 - 17/08/21
病迷悪夢、モノンとジェラの改心後のお話しです。

コンセプトはファニー·セクシー·バイオレンスでいこうと思います。

過去にも触れていきたいと考えているからシリアスも入るかも?

Kd #0 - 17.10.20
すごく面白い☆
戻ってきてください!!待ってます!!

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