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『短編集』
この物語は 短編集 です
1章.短編集読者833 評価0 分岐18
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惑星収集家
15.02.08
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「ありがとうございました」
少しいつもよりも高級感のあるおやつを奮発して買った。

姉の提案で駅近くのピザ屋に昼食に向かった。
だが予想以上に店は混んでおり、二人そろって早々と心折れ退散した。
違う飲食店へ行こうと話しながら車を停めた駐車場へ向かう。
その前に駅近場にあるデパートへ立ち寄った。
2月最初の休日はバレンタインセールやキャンペーンをやっており、いつも以上に混んでいた。
たまたま入った近くがデパ地下だった。
さまざまなバレンタインチョコがディスプレイされ、それを楽しそうに選ぶお客達でごった返している。
ーーすごい人
ーーそうだね、あ!この箱素敵だね
ーー中身じゃなくて?
ーー中身も美味しそうだけど
目に入ったショーケース越しに並べられたチョコレートは宝石のように並べられていた。
確かにそれを包む包装紙や箱も渡す男性向けというよりも買う女性が気に入るような…

その一方、私は違うものが目にとまった。
バレンタインチョコの専用ブースからは離れた場所に並ぶ、洋菓子ではなく和菓子を中心に扱っている店が並んでいる通路だ。
私にとっては却って人がいない方が気になり、チョコレート菓子に魅入っている姉を置いて和菓子を見に行った。
その中で一つ、気になるものを見つけた。
生和菓子だった。
季節のものを形取った和菓子達は可愛らしくて美味しそうなものだった。
ーー雪兎…
和菓子のディスプレイに並べられている、白いぎゅうひに赤い小さな葉が二枚飾られた雪兎をモチーフにした和菓子に目がとまった。
赤い食紅で仄かに付けられた赤い目に心をとらえられ私は考えるまでもなく店員に声をかけた。

ーー賞味期限は明日までになっております。
受け取る時に笑顔と共に言われた。
確かに箱に張られた賞味期限は明日になっていた。
生菓子なので賞味期限が早いのは当然だ。
だが儚い命だと思った。
ーー雪兎も翌日になったら溶けちゃうからね
生菓子全般は翌日までが賞味期限というのはセオリー、珍しいものではない。
しかしこの雪兎に関しては少しシャレが利いているなどと思った。
儚いから余計に可愛い気もする。
とりあえず今思ったことを姉に道すがら話そうと考えながら、未だに魅入っている姉の元に戻った。

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