これまでのあらすじ

『短編集』
この物語は 短編集 です
1章.短編集読者833 評価0 分岐18
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深神 鏡
15.02.08
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ある寒い冬の日のことでした
蟻くんが玄関を開くと
ゴロリと
キリギリスくんが転がりこんできました
ガタガタ震えながら
「寒い 死ぬ お腹空いた 泊めて」
早口にそう言うと
倒れました
蟻くんは眉間にシワを寄せ
冬になる前に色々備えておかないから……
そう呟きながらキリギリスくんを
外へ出してパタンと扉を閉めました」
「…………」
しかし、やはり考え直し
死にそうになってるのを
自業自得と見殺しにするのは
あんまりかな、そう思い
瀕死のキリギリスくんを
抱き起こし、暖かい家の中へ入れてあげました
しばらくして意識を取り戻したキリギリスくん
蟻くんのお手製ホカホカあったかスープを飲みながら 
ホッと一息、
蟻くんの優しさに涙してお礼を言いました
冬の間、蟻くんの家にお世話になることになったキリギリスくん
得意のバイオリンで素敵な音楽を奏でたり
家事全般をしたり(料理は下手くそなので蟻くん担当)
すっかり元気に。
毎年、冬はひとりで静かに過ごしていたので
家の中が明るく賑やかになったな、
蟻くんはそう思いました
キリギリスくんが
家事全般+楽器演奏をするようになり
料理以外あまりすることがなくなった蟻くんは
仕事に集中するように。
朝から晩まで外で薪を集めたり割ったり
とても寒そうです
ある日
いつも通り
外に働きに行こうとする蟻くん
呼び止められました
「?」
「じゃーん!」
キリギリスくんの手には
六足の靴下が
どうやら蟻くんが
仕事中寒そうだったので
ひそかに編んでいた様子
「ありがとう……」
お風呂に入ったわけでもなく
スープを飲んだわけでもなく
暖炉にあたっているわけでもないのに
なぜかあったかくなりました
心が……
不思議な現象です
蟻くんはさっそく靴下を履いて
いつも通り仕事に出かけました
いつもと違うのは
足も心もあったかくて
ポカポカしていることでした

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