フルメタル・パニック! アナザー (12) (ファンタジア文庫) の感想

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参照データ

タイトルフルメタル・パニック! アナザー (12) (ファンタジア文庫)
発売日2016-02-20
製作者大黒 尚人
販売元KADOKAWA/富士見書房
JANコード9784040706696
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

もう一人の自分ともいえるAIとの最終決戦が描かれる、スピンオフシリーズ最終巻。
一言で表すなら、非常に手堅く終わった印象。
 甘城ブリリアントパークのスピンオフの出来を思うと、不満点はあるのものの十分面白いシリーズであったと思う。しかし面白い点やよく出来ている点が多いだけに、拙い部分が目立った印象も確かにある。そして何より、比較対象がライトノベルの金字塔『フルメタル・パニック』シリーズ、というのが本作の同情すべき点であり、評価を難しくしているだろう。正直、現在のラノベ全体で考えれば十分面白いものであり、出来たもののわりに過小評価されているようにも感じる。

 序盤のレイヴン1号機と〈トゥリヌス〉の戦いは、ラムダドライバも相まって、針に糸を通すような戦いの緊迫感があり、シリーズでもトップクラスのの名勝負が描かれていた。達也の天才的な操縦技術を描きながらも、それを持ってしても届きえぬラムダドライバの圧倒的な理不尽さ。それでもなお限界を超えて抗う達也。決して交わらぬ者同士が戦士という共通項で結ばれた時、見出す一瞬の勝機を描いた展開には熱くさせられた。 
 ラストの〈ダイダラ〉を用いた展開は唐突で無理矢理感があったのは否めないが、戦士として目覚めた達也が、真の意味で日常へと帰還を果たすには必要なものであったと思う。兵士として躊躇なく人を殺すことが出来るようになった彼が日常を取り戻すためには、その卓越した技術を殺しではなく人を救うことに使わねばならなかった。本作最大の敵を救った瞬間、彼は真に主人公足り得、兵士の呪縛から逃れる事が出来たのだ。無茶を感じるものの、そういう意味では名シーンとも言える。
 そして、最終巻にして投入されたブレイズ・レイヴン5号機〈ミラージュ〉が非常に格好がいい。デザインやそのスペックはロボット物の最強機体っぽくて良いのだが、その活躍が魅力的に描けていなかった。わりとすぐにギリギリの戦いとなってしまうので、もっとその活躍が見たかったのが本音なところ。映画『パシフィック・リム』のイェーガーと同様で、もっともお前らの活躍を見せてくれよ!といった感じである。ECSとプラズマをはしらせながら分身するシーンは映像化したらさぞ見栄えが良く、興奮することだろう。

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