これまでのあらすじ
『カードゲーム始めました♪』
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……く、くそ……」
私に向き合った対戦者が悔しそうにした唇を噛む。
それでも私たちの間に張り詰めた緊張の糸は緩むことは無い。
お互いに残りのライフはあとわずか。
相手のフィールドにはディフェンスエリアにユニットが1体、BKラインにユニットが1体。
対してこちらのフィールドには、FTラインにユニットが2体、MDLラインにユニットが2体。そして、手札にはFTラインのユニットのパワーを上昇させることが出来るカード。これを使ってディフェンスエリアのユニットを破壊してもう1体のユニットで攻撃すれば…………私の勝ち。
「これで終わりよ!私は手札からスペル〈大地の力(ガイアパワー)〉を発動!」
「なんだと!?」
「このカードの効果でFTラインにいる緑属性のカード1体のパワーを4000アップさせる!私は〈ジャイアントゴーレム〉のパワーを上げる!」
7〈ジャイアントゴーレム〉中
8000→12000
「そんな、俺のディフェンスエリアのユニットのパワーを上回っただと!?」
「いくわよ!これで決める!」
そう言って私はバフ掛けしたユニットに攻撃宣言するために手を上に掲げた。
そして、
「〈ジャイアントゴーレム〉でディフェンスエリアのユニットに攻撃!ゴッドハンd……違う違う、「大地崩壊」!!」
「うぁっ!」
これでディフェンスエリアががら空き。
最後にこいつでトドメを刺せば……。
「これで最後よ!〈神星龍アスペル〉でライフに攻撃!!」
8〈神星龍アスペル〉長 9000
「極星の壊滅砲(スターブレイカー)!!!」
「うわぁっ!!」
FTエリアから放たれる龍の一撃。
ディフェンス出来るユニットもなくその一撃を直で受けた。
[?]
Life 1→0 ライフオーバー
勝者
笹沼 歩海
ヴァーチャルフィールド一帯に電子音声でそう流れた後、ゆっくりとフィールドがもとの会場に戻る。
観客席にはこの2人の対戦を一目見ようと押しかけた観客たちが各々興奮しているのか声を張り上げている。
そして、電光掲示板には、「Winner Ayumi!!」の文字が。
そうか……勝ったんだ。
念願の優勝したんだ。
そう思うと涙が零れてくる。
そんなことを考えている間に、電光掲示板の下にある表彰台の横にいるDJの方から名前が呼ばれ、表彰台に立つように促された。
初優勝のため、少々緊張をしながらゆっくりと台の上に上がり、景色を見渡す。
優勝した…………んだ。
もう1度それを実感し、緊張を落ち着けるために目を瞑った。
………………
…………
……
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筆者:東雲優里 読者:63 評価:0 分岐:1