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『人外の森へようこそ』
1章.人外の森へようこそ読者510 評価0 分岐1
2章.人外の森読者716 評価2 分岐10
3章.実らぬ恋の伝説読者308 評価0 分岐1
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ハルキ
17.07.24
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ルーク「そうか、ローレライ…うんいいよ、こっちにおいで」

 手を引かれて、歩いてゆく。

 途中でたくさんの動物に出会った。彼らは、ドラゴンの彼に警戒せずに近寄ってくる。

 そして、セレナにも。人懐っこく寄ってくる動物たちにも、心が癒される。

セレナ『とてもあたたかい。それに可愛いです』

 動物たちに頬を舐められながら、セレナはルークにメモを見せた。

ルーク「ふふ、だよね~。ボクもみんなに癒されたんだ…」

 遠い日々を見つめる瞳。彼にも何かあったのだ。セレナは直感でそう感じた。

 やがてとても澄んだ湖についた。セレナは湖のほとりに座った。

 ルークが静かに語りだす。

ルーク「…ボクにも、友達が居たんだ。人間の少女でね…」





ルーク「くそが!人間め…」

 ルークは、人間の狩人に重傷を負わされていた。なんとか森に駆け込んだが、死にかけている。

 翼が切り裂かれ、血が滴る。痛みは増し、意識は朦朧としている。

ルーク「俺はまだ、死ぬわけにはいかねぇ…!」

 生きてやる。だが、身体は言うことを聞かない。

 ルークはそのまま目を閉じた。


?「わあっ、人が倒れてる!」

 その声で目が覚めた。人間のにおい。

ルーク「う…」

 目を開ける。声の主は16程の人間の少女だった。

少女「あ、だ、大丈夫?待って、すぐに…」

ルーク「うるせぇ!こっち来んな!」

 少女はルークを見つめた。

少女「どうして?だって」

ルーク「いいから来んな、目障り、だ…」

 ルークはそこまで言うと、気を失った。

 次に目が覚めると、夜だった。少女が隣に座っている。身体はすっかりきれいに治っている。

ルーク「お前、なんで居るんだよ?帰れよ、人間だろ?」

少女「あなた誰?いくつ?」

ルーク「…ルーク・レオナルド。…歳は55くらいだと思う」

少女「そうなんだ。私はレン・アーク。16歳」

ルーク「なんでここに?」

レン「…私ね、不思議な力があるの。怪我とかすぐに治せるの。でも、みんな私を不気味がる。だからよく森にくるんだよ」

 正直、最初はどうでもよかった。

 でも、毎日来ては遊んだりしていく少女に、興味がわき始めた。

 話すうちに敵意も無くなり、いつしかふたりは恋に落ちていた。

レン「それでね、その花を…」

 楽しげに話すレンの腕や足に痣があるのに気がついた。

ルーク「ねえ、それどうしたの?」

 痣を隠すレン。ルークが心を読むと、レンの気持ちが流れてくる。

ルーク「今まで隠してたの?治してたの?」

レン「…ごめんなさい。私、虐められてるの。でも、平気だから!」

 ルークはその日、レンを森の外まで送っていった。それがよくなかった。

 次の朝、森が燃えていた。ルークは胸騒ぎがし、村へ飛んだ。

 …レンが、捕まっている。ルークはドラゴンの姿を現して、村を襲った。

村人「くそ、やはりこの女は魔女だ!燃やせ!」

ルーク「やめろ!人間!」

 レンが微笑む。

レン「ルーク。私ね、ちゃんと村人と契約したから。この村では、契約を破れないわ。森に近づかないって、契約させたから。もう、大丈夫だから。あなたは罪を犯さないで」

 レンが炎に包まれる。

レン「ル、ルーク!ああっ、あのね、私、楽しかったよ」

 そこからの記憶は無い。気がつけば、村は無くなり、森は燃えていなかった。





ルーク「ボク、独りになってしまって。でも、キミみたいな人外が来てくれて良かったよ!これからは、一緒に頑張ろう、よろしくね」

 ルークはふわりと微笑んだ。

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筆者:東雲優里  読者:216  評価:0  分岐:1

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