ビジョンの定義

本書は、
どのような企業が普遍的な発展を遂げていくのかを、
調査を根底に学問と統合する中で、
その発展し続ける原則を説いている本である。

その答えが、
ビジョナリーカンパニーと言うものである。

本書によるとビジョナリーカンパニーには基本理念がある。
基本理念とは基本的価値観と目的である。
これは、
英語のCore ValueとMission Statementに該当するものであると思う。
この二つの要素を維持しながら、
企業を進歩させることを時計を作るという。
時計を作るとは、
カリスマ的なリーダーが時を告げて企業を引っ張るのではなく、
企業自体が基本理念を持って進歩することが出来るようにリーダーがシステムを作ってしまうことをいう。
そのような会社は、
リーダーが変わっても常に優秀な人材が育っていて発展していくのだという。

ここで筆者は基本理念と進歩がビジョンであると書いてあるが、
このビジョンの定義が私の長い間はっきり区別できなかった、
ミッションとビジョンとバリューの定義を整理してくれた。
まさに経営とはこの三つを如何に立てながら組織を形成し引っ張っていくかであると再確認させられた本である。
もっと広く言うならば、
これは経営だけではなくすべての目的を持った組織にあてはまる発展成功の原則であろう。

文化についてはカルト的な文化をビジョナリーカンパニーは持っているということであり、
人によって働くには合う合わないがあるということであるが、
もう少し文化については基本的価値観と比較しながら倫理的に深く研究する必要があると感じた。

しかし名著といえる本であることは間違いない内容であると思う。