『論語』≠儒教、儒教の死生観≒現代日本人の死生観

「儒」とは巫祝(祈祷師・シャーマン)を意味し、
古い呪的儀礼や喪葬に従事する下層民。
孔子が、
怠惰に陥っていた孔子以前の儒=原儒を意識改革(宗教革命)し、
シャーマニズムを基礎として生み出した「孝」概念を基礎に家族理論を、
更にその上に政治理論を組み立てたのが世界に類を見ない儒教である。
これが朱子により形而上学的な補完を受けて朱子学となり、
康有為により近代は孔子教にもなる。


仏式葬儀の中に儒教や神道の考えが色濃く流れている。
が日本人は気付かず否知らない。

①仏教死
成仏しない場合、
肉体死で霊魂は次の生まれ変わり場所が決まる四九日間の中陰時間に入るので、
出来るだけ良い転生をするよう初七日に始まり七日おきに僧を通じて供養する。
四九日目満中陰に天上界の神・人間界の人間・～・畜生界の動物・～・最下界地獄かにきまる。
殺生をしないのは畜生界への転生者への思いやりである。

②儒教死
古代エジプトと同じく死によって肉体と霊魂は分離するが、
霊魂が肉体に戻れば再生すると考える。
しかし再生を霊魂任せにする受動的な古代エジプト人と違い能動的な古代中国人では命日に人に死者の頭蓋骨を被らせ、
音楽や酒、
香りで死者の霊魂を招き寄せて合体させて暫の再生を図ろうとする。
頭蓋骨が板にさらには位牌に作業効率化した。
招魂再生の儀礼・盆の思考である。
父達の死を受け父達を再生する。
子達の死を受け子達を再生する。
孫達の死を受け孫達を再生する。
祖先の永遠の命を保証するのは子孫である。
子孫を絶やさない事こそ己の永遠の命を保証する。
また、
子孫と祖先は永遠に続く命の繋がりを絆を実感する。
死への恐れの 克服。
祖先崇拝、
父母敬愛、
子孫繁栄の三位一体としての〈孝〉。

日本では劣化して父母への敬愛だけ〈孝〉。

③仏教式葬儀
遺体には仏教的意味がないため、
本尊掛軸の前に柩を置き、
本来は本尊に礼拝するはずが、
柩や遺影にしか礼拝しない(儒教式)現状。
つまり日本人は仏教を理解せぬまま仏より死者を尊重し続けている。

④儒教式葬儀
遺体をすぐに葬らず北窓に安置。
この間〈殯〉(もがり)の儀式、
その後埋葬する〈葬〉の儀式を行う。
〈死〉から一連のこれら儀式を本来〈喪〉とする。

⑤神道的死と葬儀