あくまでシェイプアップ用

本書は、
これまでダイエット本の類しか読んだことのない、

シェイプアップ志向の筋トレ初心者にピッタリの本だ。


特に薦めたいのは女性。

女性向けダイエット本の多くに書かれている内容は、

本当にいい加減（ある意味で危険）なものが非常に多いので、

そういったウソの呪縛を解くには最高の1冊かもしれない。


とりわけ第1章と第2章は、
俗説のウソと正しい知識が、

分かりやすくかつ具体的に解説されているので、
これだけでも買う価値がある。


本書は内容が盛り沢山で、
筋トレメニューも本格的に見えるため、

「この本は男性向け」「細くなりたい女性には合わない」
などと誤解する人が少なからず出てくると思うが、
心配ご無用。


本書のメニューを100％こなしたとしても、

太くなりすぎて困るほど筋量が増えてしまうことは絶対にない。


筋肉を太くするのは、
実は筋肉質タイプの男性にとってさえ非常に大変なこと。

女性がこの程度の筋トレで見た目に分かるほど増量できるなら、

ボディービルダーやアスリートは苦労しない。


むしろ本書は、
自分を「筋肉太り」「骨太」と考えている女性にこそ薦めたい。

騙されたと思って1年くらい愚直に取り組んでみれば、

筋肉ダルマどころか想像以上にスリムになって驚くはずだから。


ところで、
本書は飽くまでシェイプアップ用のハウツー本であり、

アスリートの競技力向上を意図して書かれた本ではない。

初心者にとっては非常にタメになる前半の内容も、

筋トレにまつわる知識のごく一部を、
易しく述べたものにすぎない。


アスリートがパフォーマンス向上のために筋トレを取り入れる場合は、

スポーツ動作における筋力発揮プロセスの分析と理解が欠かせない。

それをすっ飛ばして生理学的な知見だけでメニューを組んでしまうと、

強化どころか故障のリスクを飛躍的に高めてしまうことになりかねない。


アスリートは、
まずは専門書でしっかり勉強した上で、