他に良い本がある

著者がすばらしい計量経済学者であることは間違いない（実際に講義を受けたこともあるが人柄も素晴らしい）し、
パネルデータモデルの発展にキャリアを通じて貢献してきただけに、
血と肉の通った文章になっていると思うが、
正直構成があまりよくない。
さらに、
教科書として致命的な欠点として表記法（notation）がわかりづらい。
第一章で定義した表記法をあとの章で使っているが、
こういう本は第一章から読むというより必要なところを読むことが多いのでいちいち第一章に戻る必要があるのは大変。

参考文献として手元にあってもいいが、
本格的にミクロ計量を学ぶのであればCameron and TrevediのMicroeconometricsの方が先だろう。