ダイナミックなセカイ系(微エロ)として評価

まだこの漫画を読んだことがない人がいて、
楽しんで読みたいと思うのであれば、
僕のレビューは読まないで、
休みの日に1巻からこの巻まで通して一気に読むことをオススメします。


ダイナミックな世界観なのにセカイ系というよくわからない状況を、
画力で補ってきちんとしたハッピーエンドまで持っていったのはすごい。


けれども、
精神と肉体みたいな実体二元論を標榜して、
クライマックスに「愛」の偉大さを語って終わっているあたり、
設定の奇抜さはあるけれど、
メッセージとしては月並み感が拭えない。

(僕の翻訳力不足だけが理由ではないと思う)

感動を与えるにしても、
後半の「困難さ」が薄すぎたようにも感じるのも残念。

テンポを重視して、
読者を置き去りにしている感があった。

かといって、
少年コミックにありがちな説明的な描写が多いと物語に没頭できないし、
通しで読めばいくらか解決する話ですが……
(途中、
切なくて泣きそうになったのに、
最終巻では感動がなかった)

と、
ネガティブに書いてみたものの、
一定のリテラシーがあるマンネリ化気味の元ラブラブカップルはこれを読めば愛を恢復することもあるだろうし、
軽度の浮気性の人間が変わる契機にはなるかもしれないぐらいの力はある。


絵はうまいし。
よく出来たストーリーだし。

僕みたいに捻くれていなければ星5つを与えたくなるでしょう。
僕は捻くれているので星3つ。

世間の人々の愛が少しでも深くなるようにという期待をこめて、
最終的に星4つ。


表紙でメインになっている2人の真っ直ぐな愛にひっぱられるか、
俯瞰して冷ややかになってしまうか、
奇抜なストーリーと圧倒的画力に素直に支配されていれば前者として充分に楽しめます。