世界戦争から革命へ (ロシア革命とソ連の世紀 第1巻) の感想
参照データ
タイトル | 世界戦争から革命へ (ロシア革命とソ連の世紀 第1巻) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000282666 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般 |
購入者の感想
今年はロシア革命100週年ということで、岩波書店が出したシリーズ。ソ連が崩壊したとき、アメリカでは資本主義が社会主義に勝ったとの「喜び」の声が湧き上がったが、本当に資本主義は社会主義に勝ったのか。ロシア革命とそれ以前の帝政時代のロシアなど様々な観点から検証する。ロシア革命とソ連の崩壊の原因を探ることはこれからの世界の行方を知りたいと思う人間にとっては非常に有益である。新自由主義がはびこり、格差社会と貧困が常識になった資本主義陣営は本当に社会主義に勝ったといえるのか。ロシア革命は平等を目指した結果、自由を見失った。いや、本当の平等も実現できなかった。しかし、平等を目指していたことは事実であり、資本主義陣営も平等を無視することができなかったのも事実である。その証拠にソ連崩壊後新自由主義が勃興し、資本主義の悪が奉拝として湧き上がった事実からハッキリしている。これからの資本主義は平等を無視することはできないだろう。執筆陣は若い世代で、私のようにロシア革命を憧れを持って見た70歳になる世代とは違い、ロシア革命をもっと客観的に見ることができている。一読をお薦めする。