デザインのデザイン の感想

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参照データ

タイトルデザインのデザイン
発売日販売日未定
製作者原 研哉
販売元岩波書店
JANコード9784000240055
カテゴリ » ジャンル別 » アート・建築・デザイン » デザイン

デザインのデザイン とは

 「デザイン」とはいったい何なのか? 敢えて辞書的に定義するならば、それは「意匠」や「応用美術」と翻訳される概念であり、何らかの使用目的に則して造形が行われる点で、それ自体自律して成立しうるものとされる「ファインアート」とは厳密に区別される。だがテクノロジーの変革やそれに伴う情報環境の変化が著しい昨今では、その意味自体が極めて流動的なものとなり、範囲を正確に定めることが著しく困難になってしまったとの声もよく聞かれるようになった。存外、「デザイン」の定義に最も悩んでいるのはほかでもないプロのデザイナーなのかもしれない。

   本書に一貫しているのも、デザインにとって最も基本的で、かつ最も困難なこの問いである。現場の第一線で活躍する現役デザイナーである著者は、最初に基本的なデザイン史をひと通りおさらいした後、「無印良品」や本の装丁、あるいは長野五輪や愛知万博など自らが関与した多くのプロジェクトへの取り組みを回想する一方、四角いトイレットペーパー、ロール型のゴキブリホイホイ、落ちている木に発火剤を塗布したマッチなど、ユニークなデザイン例の紹介にも多くのページを費やしている。特に著者が「リ・デザイン」と呼ぶ後者のさまざまな事例は、何の変哲もない日用品のスタイリングにちょっとした工夫を加えて意外な効果を引き出したものばかりであり、デザイン本来のあり方を再考するうえで格好のきっかけを提供してくれている。

   本書の末尾において、著者は「コミュニケーション・デザイン」「ヴィジュアル・コミュニケーション」「グラフィックデザイン」という3つのキーワードを提示し、自らの職能やその社会的役割をこの3者の関係性のなかに見いだそうとしている。「デザインのデザイン」という人を食ったようなタイトルは、いかにも現代的なその試行錯誤の名前でもある。文体は軽妙洒脱だが、かといって本書の問いかけが軽いわけでは決してない。(暮沢剛巳)

購入者の感想

Amazonのレビュー自体が2003年にでた「デザインのデザイン」(Design of Design)と2007年に出た「デザインのデザイン Special Edition」(Designing Design)と1つのレビューなっているようだが、自分が読んだのは後者の方である。

過去のプロジェクトや展覧会それぞれに対して、そのコンセプト作品1つ1つについて丁寧に解説がなされている。この本では作品をみて自身が抽象的に感じ言葉にできない感動・気づきをとてもうまく言葉に表現している。これは企画段階でコンセプトを明確にし仕事を進めてきた結果ではないだろうか。
もし、特に気に入った物があれば、そのないように焦点を絞った書籍が出ているようなので読んでみるといいのではないか。

印象的だった話
・愛知万博の話
テレビで万博予定地に「オオタカ」がいるから反対運動が起き予定地を変更したというニュースを聞いていた。自分自身、万博はお祭りごとの1つで科学とか文明とかそういった物を見せつけるようなイベントと認識していて、このニュースの結果は当然だと思っていた。
しかし、初期構想では万博自体の概念をかえようというコンセプトを持って計画を練っていたという事実をこの本で知り、マスコミの問題点を改めて認識することとなった。

・グロバリゼーションへの対峙
今日(2012年)では日本企業がかつての勢いを失い、窮地に立たされている。その対策として、グローバルな視点でマーケティングを行わなくてはならないと盛んに言われている。しかし、原氏の考えは違う。グローバルな視点を持つからこそ、飄々とローカルであるべきだとの考え。日本ローカルをターゲットにするからこそ、日本文化という土壌にあった個性的な作品が初めて生まれるはずということ。
たしかに考えてみればウォークマンもアニメも日本料理も別にグローバルな視点で生み出した物ではない。世界からの干渉を受けずに日本国内で暖めてきたものがたまたま世界でうけているにすぎない。今は世界からの情報が入りすぎて混乱した中、日本向け商品を作っているから、どうしても二番煎じ的な商品に成り下がっているのではないだろうか。

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