ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上) の感想

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参照データ

タイトルミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
発売日販売日未定
製作者ダヴィド ラーゲルクランツ
販売元早川書房
JANコード9784152095848
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

とてもおもしろかった。おもしろすぎて夜更かししてしまった。

他のレビューがあまりにひどいので書くが、むしろミカエルやリスベットをはじめとした旧キャラクター陣の設定は愚直なまでに前3作に忠実だと思う。文体や物語の展開もできる限り前3作に合わせようとしているのがわかる。そのため、あれほどのボリュームが有った「2」「3」の連作と比較すると多少トーンダウンした部分もあるが、むしろこれから「5」「6」を書いていく上で最高のスタートを切ったと言える。

盛り込まれたテーマも秀逸だ。ネタバレになるので伏せるが(気になる人は他の人のレビューなんて気にせずさっさと読んで!)、シリーズを通して描かれた女性蔑視、そして力を持たないものへの迫害は今まで同様盛り込まれている。そこは今回の執筆者であるダヴィド・ラーゲルクランツが事件記者の経験のあるジャーナリストであることが大きい。ちなみにラーゲルクランツは現時点では次々作までの執筆も決定してるとのこと。「5」は2017年、「6」は2019年に刊行される。

原作者であるスティーグ・ラーソンは亡くなった。そして彼のパートナーであったエヴァ・ガブリエルは数百ページに及ぶ未完の原稿を持っていると言われている。しかし「3」刊行から8年、いまだにそれが表に出る気配はない。権利的な問題もあると思う。それなら先日公開された「スターウォーズ/フォースの覚醒」のように、まったく別の人間が引き継ぐのも一つの手ではないだろうか。

確かにこのラーゲルクランツ版「4」は、本来のラーソン版「4」とは異なる。原作に忠実であるがゆえに、本来盛り込まれるであっただろう変化に欠けている。しかしそれはあくまでスティーグ・ラーソンが亡くなり、他の誰かが書かなくてはいけなくなったからこそ副産物にすぎない。むしろラーゲルクランツはこれ以上ないほどシリーズの再起動に成功した。

先の読めない展開、社会問題、絶対に伏せられるべきネタバレ、そして原作への愛しかない結末。リスベットとミカエルと再会できてよかった。心からそう思えた。

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早川書房から発売されたダヴィド ラーゲルクランツのミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)(JAN:9784152095848)の感想と評価
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