隠れていた宇宙 下 (ハヤカワ文庫 NF) の感想
参照データ
タイトル | 隠れていた宇宙 下 (ハヤカワ文庫 NF) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ブライアン・グリーン |
販売元 | 早川書房 |
JANコード | 9784150503901 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 理論物理学 |
購入者の感想
宇宙が、われわれが存在するものしかないと考える根拠はないわけで、多宇宙という概念自体は決して受け入れられないものではありません。ただ、本書はSFにでてくるパラレルワールドのような多宇宙の有無を論じたわけではなく、物理学の理論をもとに考えていくと、宇宙は複数ある、それどころか無限にあるという結論になるということを解説した本です。多宇宙といっても、よって立つ理論によってその姿はいろいろです。上巻では、そのうちでも比較的理解しやすいタイプの多宇宙を紹介していましたが、下巻は非常に抽象的な内容で、慎重に読まないとついていけなくなります。上巻で紹介されている宇宙ですら、たとえ実在すると理論的に証明されても、われわれは観測できそうもなく、想像することも難しいのですが、シミュレーション宇宙、われわれが住んでいる宇宙がだれかのコンピュータの中のシミュレーションかもしれないという考え方(世界=情報という考えから発展してくる)になると、純粋な思考実験という感じでやっかいです。
日常生活には何の関係もないことですし、そもそも正しいかどうかもわからない多宇宙論ですが、いろいろと想像してみるのは楽しい体験です。おそらく本書は最先端で研究する物理学者が味わっているであろう快感を一般の人たちにも味わってもらうために書かれています。ですから、難しいところは読み飛ばしてもかまいません。わからないままにしても気にする必要はありません。この宇宙のリアリティにひとときでも思いを巡らせてみるだけで十分です。
日常生活には何の関係もないことですし、そもそも正しいかどうかもわからない多宇宙論ですが、いろいろと想像してみるのは楽しい体験です。おそらく本書は最先端で研究する物理学者が味わっているであろう快感を一般の人たちにも味わってもらうために書かれています。ですから、難しいところは読み飛ばしてもかまいません。わからないままにしても気にする必要はありません。この宇宙のリアリティにひとときでも思いを巡らせてみるだけで十分です。