楽園追放―Expelled from Paradise― (ハヤカワ文庫JA) の感想

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元の映像をそのまま文字に起こしたような平坦な文がひたすら連続して退屈。本当に映像から読み取れる以上の舞台背景がなにひとつ書かれてないので死ぬほど淡白な作品でした。
せっかくの小説なんだから、映像で描写するのがむずかしいこまごました部分を補完してやればモアベターだと思うんですけど………きっと公開時期にあわせて〆切も短かったんだろうなあ…という制作側の台所事情が垣間見えてつくづく惜しいと思います。せっかくのハヤカワなんだからもう少し時間を取ってじっくり煮詰め、これ単独でも鑑賞に耐えうるちゃんとしたノベライズにしてほしかった。

とりあえず、横着せずに時間を取って映画館にゆくのが吉です。

面白いけどベタな展開とガジェットが多くて映像じゃないと魅力半減かなというのが印象です。

もう少しだけ詳しく書くとオッサンと美少女のコンビ、高性能AIにラグランジュポイントの電脳世界と荒廃した地球と手垢のついたSF世界観でしたが、主人公の対比となるライバの描写以外は話としてはまとまっていて面白かったです。
そして終盤からラストのあたり展開としてはかなりベタですが熱い展開でした。
ただ、作者の独自性というのも感じませんでしたし、面白いのですが小説や物語としてハッとするような瞬間はあまりない感じでした。
逆にこれが映像ならもっと楽しめるだろうなというのも感じました。
映画を見てないのにこう書くのは変ですが、良い意味でも悪い意味でもよく出来たノベライズというのが私の印象です。