エイズの村に生まれて―命をつなぐ16歳の母・ナターシャ の感想

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参照データ

タイトルエイズの村に生まれて―命をつなぐ16歳の母・ナターシャ
発売日販売日未定
製作者後藤 健二
販売元汐文社
JANコード9784811384740
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

起こる出来事を「他人事ではありませんよ」
と命懸けで警告し続けてきた後藤さん。

この本ではエイズについてですが、まさしく他人事ではありません。

不可抗力でエイズになる可能性が誰にでもあるからです。

本にある通り、エイズ感染ルートは、1 性行為、2 注射針の使いまわし 3 母子感染。

例えば、2の場合、医療ミスで起こる可能性はゼロとは言えません。
点滴の中身を間違え、死亡につながった悲しい医療事故が後を絶えないくらい、
残念ながら初歩的なミスはゼロにならないからです。

後藤さんはナターシャという幼い母親と赤ちゃんの一事例を通じて
ロシアとの国境近くのナルヴァという町での出来事は決して
日本にとって他人事ではありませんよと警鐘を鳴らしています。

その根拠として、病気の治療薬の中にエイズウィルスをふくんだ血液でつくられたものがあり、
それを服用した方が、エイズに感染。いわゆる薬害エイズを一例としてあげています。
 また、先進国の中で唯一、日本がHIV/エイズ感染者が増え続けていることなど
日本はエイズ危機に直面しています。その危機意識をどれだけの人が
持っているでしょうか?

後藤さんの著書4冊、全て拝読しましたが、
彼は地球上で起こっている事をまずみんなで共有し、事実の認識と正しい理解を
促しています。命懸けで。これは本当に凄いことです。

後藤さんという一人の人間の生き方に対して、それぞれの価値観で様々な見方、考え方が出来、賛否両論だと思いますが、私は後藤さんは、人類の為に生き、人類の為に死んでいったと心底思っています。そしてその生き様、命の使い方は非常に大義的であり、
幕末の志士たちと相通じるものがあると思います。

1991年独立(それ以前はソ連)のエストニア、そこにHIV感染率90%の町があるという。エルヴァである。TVカメラを持ち込み映像を記録していくのが後藤さん(1967年生まれ)である。本書はその取材過程を平易な文章でまとめたものである。おそらく小学生から大人まで読み込めるであろう。アジア、アフリカのHIV感染爆発が伝えられて既に10年以上経つであろう。1983年にAIDSの原因ウイルスであるHIVが発見されて20年以上が過ぎている。未だワクチンはなく、HIVを体内から排除する薬剤も無い(発症を抑え長期生存は先進国では可能であるが)。
エルヴァでのHIV感染の多くは麻薬の打ち回しによる、HIV汚染された血液の針を通しての感染である。もちろん、性行為による感染も同時に起こっているようだ。
本書に登場する少女ナターシャは15歳でおそらく麻薬静脈注射により感染し、ボーイフレンドとのセックスにより妊娠。16歳で出産した時点での検査で自分がHIV感染した事を知る。
他人事だと思っていたことが自分に起こる。無知だと言う事は簡単であるが決して解決にならない。先進国の中で唯一感染者が増えている日本。
是非とも子供達に読んで貰いたい一冊である。もちろん大人が読んで子供に伝えて欲しい。ちなみにHIV以外の性感染症も若年層で爆発的に増えているのである、この日本で。

90%がHIV感染者の村があるという事実。

お酒よりも麻薬が安く簡単に手に入るという事実。

世界には、まだ自分の知らないことが沢山あると、著書を読んで衝撃を受けた。

そして、その事実は遠い国で起こっている出来事ではなく、すぐ身近にも足音が忍び寄っているということも
この本は伝えている。

現地でHIV予防に尽力している方の名刺に
「You will not be alone(あなたは決して一人ではありません)」
という言葉が印刷されていた…
この言葉が、とても心に残った。

自分に何ができるのか?
それを問いかけさせられる一冊である。

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