直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫) |
発売日 | 2013-12-24 |
製作者 | 小林 秀雄 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101007090 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 論文集・講演集・対談集 |
購入者の感想
全集などにも収録されていない対話が複数載っています。小林秀雄のファンなら十分買う価値あり。
特に三好達治氏との対談は、日常的な雑談という風だけれども、言う所は非常に現代的なテーマで面白い。
「経験が異常すぎると人間は死んでしまうより他ないからね」
「異常な深刻な経験なんというけれど、日常茶飯事の経験を長年続けてきた人の方が、細かいことで苦労したり心を砕いたりしていて、豊富な人間だとか人生だとかがよほどよく解っているんじゃないか。やっぱり深刻な経験をした人は、経験というものを買い被るね。買い被って馬鹿になる人の方が多いのではないかね」
特に三好達治氏との対談は、日常的な雑談という風だけれども、言う所は非常に現代的なテーマで面白い。
「経験が異常すぎると人間は死んでしまうより他ないからね」
「異常な深刻な経験なんというけれど、日常茶飯事の経験を長年続けてきた人の方が、細かいことで苦労したり心を砕いたりしていて、豊富な人間だとか人生だとかがよほどよく解っているんじゃないか。やっぱり深刻な経験をした人は、経験というものを買い被るね。買い被って馬鹿になる人の方が多いのではないかね」
切り口が今の文化人からは予想できない展開をするので「考えるヒント」
以上にさまざまなインスピレーションを得られる対話編です。
湯川博士との対話が異常に長いですが、原子論から精神論に至る対話は、
ギリシャ時代かと思うような、動的な議論の合間に鋭い切先が見え隠れ
します。
三木清や折口信夫のような文人との対話は土台が共通しているせいか
静的ですが、その両方を垣間見られるだけでも一読の価値ありです。0
以上にさまざまなインスピレーションを得られる対話編です。
湯川博士との対話が異常に長いですが、原子論から精神論に至る対話は、
ギリシャ時代かと思うような、動的な議論の合間に鋭い切先が見え隠れ
します。
三木清や折口信夫のような文人との対話は土台が共通しているせいか
静的ですが、その両方を垣間見られるだけでも一読の価値ありです。0