【文庫】 「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー (文芸社文庫 も 3-1) の感想

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タイトル【文庫】 「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー (文芸社文庫 も 3-1)
発売日販売日未定
製作者本川 達雄
販売元文芸社
JANコード9784286128238
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購入者の感想

「ゾウの時間、ネズミの時間」が面白かったので、

著者の本川氏の著作をいくつかまとめて手にとってみた中の一冊。

1996年刊の「時間」の再刊である。

「ゾウの時間、ネズミの時間」ではサイズの生物学というジャンルを日本に紹介しつつ、

動物によって流れる時間の速さは違う、という仮説を打ち立てたが、

本書ではこの仮説をさらに推し進め、社会学や経済学にまで「サイズと時間」の説明原理を

導入しようと試みている。

さらに「現代人は長生きしすぎている」という。

人間はサイズ的にいうと30年程度の寿命しかないはずの生き物だという。

それが80年も90年も生きるのはなぜか。大量のエネルギーを注入しているからである。

現代の日本人が使っているエネルギーは、体重にすると6トン。ゾウ並みだという。

ゾウの寿命は70年。

化石燃料を大量に消費することでゾウ並みの寿命を獲得しているのが現代の日本人である。

本川仮説は必ずしもそのまま無批判に受け入れられるものではないが、

説明原理としては、かなり納得させられてしまうし、

これまでの通念、常識を根底から覆すモノの見方であることは間違いない。

生物学から得られた知見でもって、

哲学や物理学の問題=時間論にアプローチする。ここが新しい。

高齢化社会への問題提起など、幅広い年齢層の知的好奇心をくすぐる内容である。

特に畑違いではあるが、フッサールの現象学に興味のある方にお勧めしたい。

ともあれ一読して決して損はない。0

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