大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清 の感想
参照データ
タイトル | 大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松元 崇 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784120040009 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
第二次世界大戦前のわが国の財政の歩みを、高橋是清という人物を軸に読みやすく綴ったもの。
明治政府の財政状況は、『日露戦争後に大きな対外債務を負うことになった』が、『それまでのわが国では、様々な困難に対して、政府と国民は概ね一体となって立ち向かっていったのに対して、日露戦争後は、国民が「勝ち戦」と思っている状況の中で、政府が一人で財政的な「負け戦」の処理を行わ』ねばならなかったという(259-260頁)。そのような「負け戦」に取り組まなければならなかった政府は、『自らは増税を回避し、増税のツケを地方に回』した(260頁)。
はたして現在、財政当局が見ている「風景」と国民が見ている「風景」とは、(実は同じ風景なのであろうが)、日露戦争後のように違う見方がされているのかどうか。だとしたら、そのツケは誰が、どういう形で支払うことになるのだろうか。
明治政府の財政状況は、『日露戦争後に大きな対外債務を負うことになった』が、『それまでのわが国では、様々な困難に対して、政府と国民は概ね一体となって立ち向かっていったのに対して、日露戦争後は、国民が「勝ち戦」と思っている状況の中で、政府が一人で財政的な「負け戦」の処理を行わ』ねばならなかったという(259-260頁)。そのような「負け戦」に取り組まなければならなかった政府は、『自らは増税を回避し、増税のツケを地方に回』した(260頁)。
はたして現在、財政当局が見ている「風景」と国民が見ている「風景」とは、(実は同じ風景なのであろうが)、日露戦争後のように違う見方がされているのかどうか。だとしたら、そのツケは誰が、どういう形で支払うことになるのだろうか。