旧日本陸海軍の生態学 - 組織・戦闘・事件 (中公選書) の感想

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タイトル旧日本陸海軍の生態学 - 組織・戦闘・事件 (中公選書)
発売日販売日未定
製作者秦 郁彦
販売元中央公論新社
JANコード9784121100191
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

「精緻な実証主義と生き生きした叙述で学界の第一線に立ってきた軍事史家が、専門誌に発表した論考をここに集成する」と裏表紙にある通りの、読み応え十分の内容に圧倒された。
勉強不足の私には第二章の対東学軍事行動や第三章の閔妃殺害事件、第十一章のベトナム二百万人餓死説あたりは大変興味深かった。
新たに五つの論点で充足した張作霖爆殺事件の決定的論考である第六章、講演会を収録した第九章、硫黄島栗林将軍の戦いをメインにした第十章も引き込まれる。
そして個人的には、単純な「百人斬り」の否定ではなく徹底した著者の調査から炙り出される日本軍の中国での殺戮の実像が重い第七章、六十万人の餓死者・・・淡々とした筆跡が逆に辛すぎる第十二章に強い衝撃を受けた。

素晴らしい歴史書でもあり、壮大な物語でもある、かつて日本が歩んだ時代が旧日本陸海軍を主役に考察される本書、是非一読をおすすめする。

以下、目次。
第一章 統帥権独立の起源  p15
第二章 日清戦争における対東学軍事行動  p55
第三章 閔妃殺害事件の全貌  p87
第四章 再考・旅順二〇三高地攻め論争  p141
第五章 満州領有の思想的源流  p187
第六章 張作霖爆殺事件の再検討  p209
第七章 「百人斬り」事件の虚と実  p261
第八章 第二次大戦における日米の戦争指導 ー 戦争終末構想の検討  p319
第九章 ミッドウェー海戦の再考  p351
第十章 太平洋戦争末期における日本陸軍の対米戦法 ー 水際か持久か  p381
第十一章 ベトナム二百万人餓死説の実態と責任  p425
第十二章 第二次世界大戦の日本人戦没者像 ー 餓死・海没死をめぐって  p455
第十三章 軍用動物たちの戦争史  p485
第十四章 第二次大戦期の配属将校制度  p519
第十五章 旧日本軍の兵食 ー コメはパンに敗れた?  p549
あとがき p581
初出一覧 p587

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