政治主導vs.官僚支配 自民政権、民主政権、政官20年闘争の内幕 (朝日選書) の感想

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タイトル政治主導vs.官僚支配 自民政権、民主政権、政官20年闘争の内幕 (朝日選書)
発売日2013-04-10
製作者信田智人
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022630001
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

政治主導あるいは官僚支配という用語はメディアに良く現れますが,政治の裏で実際に行われている政治家と官僚のせめぎ合いは吾ら一般人には余り見えてきません.政治家は表面に出てくるが,官僚の方は後ろに隠れているからです.著者は政治主導vs 官僚支配の背景を終戦直後にまで遡り,そこから現代にまでたどって俯瞰しました.官僚は省益を守ろうとするから行政は得てして縦割りに傾く.一方,官僚を遠ざけ,政治家主導でやろうとすると,官僚たちの蓄えてきた経験知が得られにくくなり,どっちにしても行政は行き詰まる.日本の政治は振り子のように政治家と官僚の間を揺れながら進んできたようです.ともあれ,目次を紹介します.各章の表題をちらっと見ただけで内容が想像できるでしょう.

序章 「政治主導」は福島原発事故に何をもたらしたか.
第1章 官僚支配,派閥抗争,カネ---自民党長期政権下の内閣と与党
第2章 スキャンダル,政争,そして改革--- 90年代の制度改革をめぐる政治
第3章 小泉内閣の政治主導
第4章 鳩山政権の官僚排除
第5章 党内抗争に明け暮れた管政権
第6章 官僚活用を進めた野田政権

私は序章に迫力を感じました.福島第一事故発生当初,官僚は全く無力だった.積極的に何もできなかった.何をすればよいか.それすらも分からなかった.もし首相が原発の基礎知識がある菅直人さんでなく,誰か文系出身の人であったらと考えると背筋が寒くなります.あの極限状態で官邸は船頭なき船となり,大混乱したでしょう.菅直人元首相は後日,色々と言われましたが,福島第一を兎にも角にもわれわれが今知るようなレベルにまで抑え込みました.著者の信田智人さんは「民間事故調」のメンバーの一人として多くの関係者から取材してこの序章を書いていますから,その叙述に臨場感が生まれて当然です.原子炉を冷やすには注水が必要ですが,炉の圧を下げないと注入できない.内圧を下げるには大気に開放するのが緊急の処置でした(15頁)が,これがスムースに捗らない.現場を見ようと,菅直人元首相は斑目原子力安全委員長を伴ってヘリコプターで現地上空に向かっているときの様子が17頁にありますので引いてきます.

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