街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室) の感想

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タイトル街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)
発売日販売日未定
製作者内田樹
販売元晶文社
JANコード9784794968142
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

迫り来る危機への国民の憂慮を喚起する為の警世の書たる本書では、私はまず孫崎さんの安倍政権研究を紹介する。安倍政権研究は、直ちに日本社会問題全般の現状分析でもあり、孫崎さんは改憲、集団的自衛権、原発、TPP、秘密保護法、言論統制(御用メディアとメディア・リテラシー)、ファシズムなどご自身のTwitterなどのSNSでも論及されてきた主要事項を実に簡明に総括されており、読者はそれを自らの周囲の説得へと応用できる便宜が図られている。

まず、安倍政権とは何かの定義が明確にならねばならない。孫崎さんはこう定義される。
「安倍政権は実施しようとする方向性とその政治手法、いずれをとってみても戦後最悪であると思う。」(P.247)

安倍政権が、戦後最悪であるという定義は全く正鵠を射ており、彼ほどの対米隷属と軍国主義と新自由主義勢力の利権の代表者は日本に存在しなかった。私はここで孫崎さんのご指摘される最重要問題に関する論考に言及するに止めるが、ここでは、三点見逃せない論述がある。

1、騙される側になることを選んだ国民が、安倍政権を容認するのは国民が体制側からの排除を恐れるからという分析。(P.252)

2、集団的自衛権論議でのメディアによる、既存の安保第五条の文面の無意味な強調がプロパガンダにおいて意味する狙いを鋭く突いた論考は、本書の最も秀逸な部分である。「『日本を守る為に一緒に戦っている米軍が攻撃された時には日本は行動をとること』は条約上義務になっている。では、条約上明白なことをなぜ今必要と述べているのか。それは目指すものが別に存在し、それを一般国民受けする台詞で容認させようと試みているからである。」(PP.261-2)
集団的自衛権論議にしても、パッケージ方式は日本の国益を損ねるだけである。あくまで、米国の個別政策への協力は、個別判断で対処するのが正道であるし、その逆はあり得ない。

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