これまでのあらすじ
『aposkiasma』
その発言に先程までのニタリとした笑みは消え表情が曇っていく。
「…ここまでよい条件が揃っているのにまだ首を縦には振らないか。貴様じゃなければ、どうしているかわからんぞ、ロガー」
「再就職だから慎重にいきたいんでね。」
ロガーはおどけた表情をしたと思うと言葉を続ける。
「本物の情報とやらはタダではやれないな。タイロン、あんた俺に何か隠してるな?流石に良くしてくれているとはいえ話が上手すぎやしないか?」
「何を馬鹿なことを……」
一見呆れた表情を浮かべたタイロンだが野心に満ちた瞳を帽子の鍔で隠すように目線を落とした仕草をロガーは見逃さなかった。
そして、ある疑問が生まれる。
──何をこんなに焦っているのだろうか?
大規模なフィラカシスト組織のトップが、否、このタイロンという男から此ほどまでの『焦燥感』を感じたのは初めてであった。
ロガーは何も言わずに目線を外したままのこの男を穴が開くのではないかと思うほど見つめ続ける。
暫くしてその張り詰めた空気に耐え兼ねたタイロンは深いため息をつき口を開く。
「……どうやら『隠し事』とやらを言わなきゃファミリーに引き込んでも情報を渡してくれそうにないな。まったく…貴様の貪欲さの前では、どっちが雇い主か分からなくなる」
やれやれといった表情に尽かさず「嬉しい褒め言葉だね」とロガーが煽る。
「……二月ほど前だ……」
タイロンは立ち上がったと思うと懐から煙草とマッチを取り出した。
一瞬シュッという音と共に眩しいほどの炎が暗闇を照らし、程なくして白く甘い煙と僅かな燐の薫りが煙と共に辺りに立ち込めた。
「とある地下研究所で如何わしい実験をしてる吸血鬼がいるという情報があってだな……まぁ、ガセネタかもしれないが念のため5人のフィラカシストを送り込んだ。」
「……それで?」
「任務の途中で通信が途絶えて、次の日5人ともバラバラの肉片になってに送られてきたよ」
──新人か間抜けでも送り込んだのか?
皮肉のつもりで言おうとしたロガーだったが彼の表情を見て口を紡いだ。
煙草を吹かすタイロンから伝わってくるのは悲しみと怒り。
そして理解した。この一連のバラバラ事件と自分の持っている情報には繋がりがあるということ。そしてタイロンも部下の報復のため『もしかすると』自分と同じ獲物を狙っているということを
タイロンは煙草を吸い終えると足元に吸い殻を捨て、火種を踏み消した。
「ここまでいえば俺がどうして情報が欲しいかわかっただろ?」
「あぁ……しかし解せないな。御宅のフィラカシスト5人がかりでも倒せない吸血鬼とはどんなヤツかね?」
「……ロガー、人狼と吸血鬼の混血を見たことがあるか……?」
「…ここまでよい条件が揃っているのにまだ首を縦には振らないか。貴様じゃなければ、どうしているかわからんぞ、ロガー」
「再就職だから慎重にいきたいんでね。」
ロガーはおどけた表情をしたと思うと言葉を続ける。
「本物の情報とやらはタダではやれないな。タイロン、あんた俺に何か隠してるな?流石に良くしてくれているとはいえ話が上手すぎやしないか?」
「何を馬鹿なことを……」
一見呆れた表情を浮かべたタイロンだが野心に満ちた瞳を帽子の鍔で隠すように目線を落とした仕草をロガーは見逃さなかった。
そして、ある疑問が生まれる。
──何をこんなに焦っているのだろうか?
大規模なフィラカシスト組織のトップが、否、このタイロンという男から此ほどまでの『焦燥感』を感じたのは初めてであった。
ロガーは何も言わずに目線を外したままのこの男を穴が開くのではないかと思うほど見つめ続ける。
暫くしてその張り詰めた空気に耐え兼ねたタイロンは深いため息をつき口を開く。
「……どうやら『隠し事』とやらを言わなきゃファミリーに引き込んでも情報を渡してくれそうにないな。まったく…貴様の貪欲さの前では、どっちが雇い主か分からなくなる」
やれやれといった表情に尽かさず「嬉しい褒め言葉だね」とロガーが煽る。
「……二月ほど前だ……」
タイロンは立ち上がったと思うと懐から煙草とマッチを取り出した。
一瞬シュッという音と共に眩しいほどの炎が暗闇を照らし、程なくして白く甘い煙と僅かな燐の薫りが煙と共に辺りに立ち込めた。
「とある地下研究所で如何わしい実験をしてる吸血鬼がいるという情報があってだな……まぁ、ガセネタかもしれないが念のため5人のフィラカシストを送り込んだ。」
「……それで?」
「任務の途中で通信が途絶えて、次の日5人ともバラバラの肉片になってに送られてきたよ」
──新人か間抜けでも送り込んだのか?
皮肉のつもりで言おうとしたロガーだったが彼の表情を見て口を紡いだ。
煙草を吹かすタイロンから伝わってくるのは悲しみと怒り。
そして理解した。この一連のバラバラ事件と自分の持っている情報には繋がりがあるということ。そしてタイロンも部下の報復のため『もしかすると』自分と同じ獲物を狙っているということを
タイロンは煙草を吸い終えると足元に吸い殻を捨て、火種を踏み消した。
「ここまでいえば俺がどうして情報が欲しいかわかっただろ?」
「あぁ……しかし解せないな。御宅のフィラカシスト5人がかりでも倒せない吸血鬼とはどんなヤツかね?」
「……ロガー、人狼と吸血鬼の混血を見たことがあるか……?」
続きを選択して下さい
筆者:虎殺七丁念仏 読者:132 評価:2 分岐:1
物語の続きを書く
このストーリーの評価
虎殺七丁念仏 #0 - 17/08/16
面白い
ご回答ありがとうございます!おお、そうだったんですか。では、勝手ながら混血の人物が何者なのか私が考えさせてもらいますね(*^^*)
ハバネロ #0 - 17/08/16
お久しぶりです!
キャラクター像や設定は『こうでなくてはならない』っといったものはないので次に書かれる方にお任せする予定でした(^-^)
キャラクター像や設定は『こうでなくてはならない』っといったものはないので次に書かれる方にお任せする予定でした(^-^)
虎殺七丁念仏 #0 - 17/08/16
面白い
お久しぶりです!そろそろ続きを書かせていただこうと考えているのですが、その前にハバネロさんにひとつおたずねしたいことがあります。人狼と吸血鬼の混血のキャラクターって既に考えていたりするのでしょうか。
虎殺七丁念仏 #0 - 17/08/11
面白い
すいません、諸事情により16日くらいまで私が続きを書くことはできそうにありません。ですが、ご自由に物語を進めていただいてもおっけいです!数日の間ですが、皆さんご迷惑をおかけしますm(_ _)m
虎殺七丁念仏 #0 - 17/08/10
すごく面白い☆
続きありがとうございます!少しずつ事態が見えてきて面白くなってきましたね。ハバネロさんもとても文章がお上手で勉強になります!(*>ω<)
設定は一応考えていますが、あって無いようなものなので皆さんで作っていただいても大丈夫です!自由な発想で書いていただけると嬉しいです(*´∀`)それとも、今考えている分だけでもどこかにまとめておいたほうが分かりやすいでしょうか。
設定は一応考えていますが、あって無いようなものなので皆さんで作っていただいても大丈夫です!自由な発想で書いていただけると嬉しいです(*´∀`)それとも、今考えている分だけでもどこかにまとめておいたほうが分かりやすいでしょうか。
ハバネロ #0 - 17/08/10
続きの方書かせていただきました。
主さんもさざれさんも展開や書き方が上手で出来れば自分は参加せずに読むがわに徹したいくらいですね( ノД`)…
まだ設定が掴みきれていない箇所もあるので「これはちょっと……」っというご意見あれば修正、削除致しますので何なりと……(^^;
駄文失礼しました!\(__)
主さんもさざれさんも展開や書き方が上手で出来れば自分は参加せずに読むがわに徹したいくらいですね( ノД`)…
まだ設定が掴みきれていない箇所もあるので「これはちょっと……」っというご意見あれば修正、削除致しますので何なりと……(^^;
駄文失礼しました!\(__)