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『地底パレード』
この物語は 東方project です
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Knight
15.01.16
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ガタゴトと地面が揺れる音で目を覚ました。

「んぁ?地震か?」

そう呟くと揺れは止まった。
なんだったんだ。

タンスとかが倒れていないか確認しようと寝ぼけ眼をこすって辺りを見渡すと、

「どこ、ここ…」

そこは薄暗い洞窟の中でした。
いやいやいやいや(笑)

「おやお兄さん、気がついちゃったかい?」

そう言って仰向けに寝転ぶ僕を女の子が覗き込んでくる。

勘違いされそうなので言っておくと、膝枕されているわけじゃない。
もしそうだとしたら太もも硬すぎる。サイボーグかなにか?

暗闇に目が慣れてきたので状況を整理するとしよう。

どうやら僕は猫車に乗せられているようだ。道理で硬いわけだ。
そして操縦してる女の子は猫耳がついてるのを見た感じ猫娘らしい。
猫車を猫娘が操縦するってギャグセン高いな。ワハハ。

「えっと、猫娘さん。ここはいったいどこなんです?」

「お燐と呼んでおくれよ。ここは地底。荒くれ者どもが集う旧地獄さ」

そう説明するとゴスっぽい服装をした猫娘、お燐だっけ?お燐はにゃはーと笑って白状する。

「いやあ、お兄さんてっきり死んでるもんだと思って連れて来ちゃったよ。ほら、あたいって火車だから死体運ぶの好きだろ?」

「いや知らないし。死んでないし」

「これはしたり!」

にゃっはっはっはと笑うお燐。
笑い事じゃないだろ…。

「で、どうするんだよ」

「うーんどうしようかねー。わざわざ元の場所に戻しに行くのも二度手間でめんどくさいし」

いや、面倒臭がるなよ。

「うーん。お兄さんさあ、地底を見物していく気ない?」

「はあ?」

「いやさ、今日中に上と往復するのは面倒だけど、明日になったら送る気になってるかもしれないからさ。頼むよ」

そう言って手を合わせてくるお燐。なんて適当な。

「まぁ、別にいいよ」

ぶっきらぼうに答える。

なんてことはない。
どうせこれは夢なのだ。

もう少しだけこの素っ頓狂な夢に付き合ってやろうと思っただけだ。

「そうかい?そりゃ良かった」

彼女は安心したように胸を撫で下ろすと猫車の持ち手を握り直した。

そこでふと、言い忘れていたことに気付いたようで猫娘は猫車に寝転ぶ僕を覗き込んで満面の笑顔でこう言った。

「ようこそ地獄へ!」


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