これまでのあらすじ

『ストーンメルテッド~失われた力~』
この物語は ファンタジー です
1章.ストーンメルテッド~失われた力~読者289 評価0 分岐1
2章.プロローグ読者321 評価0 分岐2
3章.失われた力 読者243 評価0 分岐1
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[ 今の俺は まるで 俺じゃない。



どんどん俺の力は弱まっていく....





何かがおかしい....






俺に何かが起きているのだろうか? ]





そんなことを考えながら、いつものように



競技場へ来た。



「カゲン!最近のお前は、らしくねーな。俺

の方が戦いの神にふさわしいぜ。」


嫌味たらしく、ニヤリと笑う。




一重まぶたの細い印象的な目元。その瞳の


奥底に、悪の野望をもっていそうな雰囲気


だった。





一度見たら、忘れないような顔....






それなのに、誰だったか 思い出せない....




「じゃあなぁ。」



またニヤリと笑った。





ムカついたが、拳を握り締めるだけで我慢

した。




そう言えば あいつ、 " ナキア "って名


前だったような....





俺の記憶は 曖昧だ。



「まぁ、そうカリカリするな。」


闘技場の見物席に座る男は、冷静で落ち着

いた雰囲気でそう話した。


黒髪に整った顔立ち。そこから、真面目で

冷静な人だと見るからに感じ取れる。


火の神であるカゲンとは真逆で彼は、水

を操る神である。


彼は、昔からカゲンを影で見守っている良

い奴だ。




だが、カゲンは彼を知らない。


いや....思い出せなかった。


彼は笑みを浮かばせ、指でカモンの合図を

した。

そして、カゲンは彼の横の席に座る。


「お前、誰なんだ?」


「カゲン、何を言っているんだ。私だよ、 パ

リアだ!」


彼は驚いた様子だった。


「頭でもぶつけたのか?」


「え、あー。いや。

俺....おかしいんです。まるで自分が自分で

ないかのような感じで.... 。」


パリアは、黙って真剣な表情で聞いてくれ

る。


「力もどんどん弱くなってゆく....

こんなのは、俺じゃない.... 。」



「........カゲン、あれを見てみろ。」








それは、闘技場の中にいる少年達と一人

のひ弱な少年だった。



人間で言えば、7歳くらいの年だろう。



ひ弱な少年の服はボロボロで、体も傷だら

けだった。




「おい....セト まだ勝負は終わってないぞぉ!」


その言葉を聞いた少年達は、笑い声を起こ

した。


「こいつ、まだくたばらねぇのか?」


セトはそう言うと....


「何度やっても同じなんだよぉ!!」

少年の顔を殴った。




「ひどいなぁ.... 。」


カゲンはこうしてはいられなくなり、立ち

上がろうとしたが、パリアに手で....



サッ!


止められてしまった。





「そうだ、セト やっちまえぇ!」


他の少年達も皆、このひ弱な少年を虐める

ことを楽しんでいる様子だった。





だが、その少年は




「............何度でもこい! ....何度でも言え!

........俺は、 ....俺は!!」



ボロボロで傷だらけの中、セトを睨みつ

け、涙が入り混じった声で少年は言った...。





「うっせぇ!」



またセトは少年の顔を殴った。



ひ弱な少年の顔は殴られた頬から血が

痛々しくにじみ出ていた.... 。






それでも、立ち上がり....





「............俺は、........お前に勝つまでは..........

..............絶対にくたばらねぇ!」






その光景を観ながらパリアは言った。


「いいか、カゲン。

強さっていうのは力の強さじゃない........。」

そして、胸元に手を置いてみせた。


「....心だ。」


「........ 。」


カゲンは、何も言わずに ひ弱な少年を見つ

め続けていた。







少年の戦いは今も続いている.... 。










カゲンは思った....










今までの俺は......










力の強さだけだった。











そんな気がした................










俺にも










この少年のように....











強い心はあるのだろうか....?



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なみ さんが投稿した リレー小説 「 失われた力 【アムールの闘技場】 」[ 今の俺は まるで 俺じゃない。 どんどん俺の力は弱まっていく.... 何かがおかしい....
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