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琴美 #1 - 15.03.11 02:50

目の前で死んだ彼女
大切で、大好きな彼女は俺の隣にはもういない
そんなある日…信じられない出来事が起こった…────

愛していた奴を失うのは本当に辛い。璃央の葬式の時…
璃央は優しい寝顔をしていた
今にも起きそうなのに…

「……はぁ」

しんでるんだから…起きるはずがない
もう一度
もう一度だけ…───
璃央に触れたい。抱き締めたい
璃央の温もりを感じたい
それが無理だと分かっていても祈ってしまう

「………」

一度だけでいいから…
璃央と、過ごしたい



＊　＊　＊　＊



放課後になり、下校する
今日は部活がないから授業が終わったらすぐに帰ることにしていた
数日前まで俺の隣で笑っていた璃央ももういない
分かりきっていることだけど

「寂しいな…」

なんて呟いて…
俺は家の扉を開けて自室に向かった

その後はする事もなく、課題とやることをやってから眠りについた

有り得なかった。目の前でアイツが居なくなるなんて
約束したのに…『ずっと一緒』だって
それなのに、アイツは俺の前から消えた

「………ッ…」

あの日の出来事を思い出す度に胸が締め付けられる
もう…アイツの笑顔を見ることは出来ないんだ

「……璃央…」

ポツリとアイツの名前を呟き、俺は机に突っ伏した
隣の席の机の上には綺麗な花が飾られている
あぁ…もう嫌だ
会いたい
璃央に会いたい…───

「おい、蓮。次移動だぞ」
「あ、悪ィ。今行くわ」

ダメだな…
璃央の事で頭が一杯で、他のことなんか考えられなくなっている
重症だな
なんて自分に呆れながら教科書とノート、筆記用具を持ち…教室を後にした