要件事実マニュアルほどに専門的ではないが，会社側弁護を行う場合の今後の必携本ではないでしょうか。

体裁は,要件事実マニュアル的ですが，そこまでマニアックではありません。

リファレンスの道具としても，扱われているのは主要判例のみであり，文献資料等は全く紹介されていません。

しかし，会社側の防戦の視線からのマニュアル本はこれまで皆無でしたから，
会社側に立った場合の必要な丁寧な主張立証の典型例をチェックポイント等の見易い方法で扱ってくれているこの一冊は，
とっかかりとして大変使いやすい，というのが，正直なところです。


勿論，この本一冊で足りる事はありません。

当然のことながら，
労働法 第9版 (法律学講座双書)
労働事件審理ノート〔第３版〕
そして今なら，
労働関係訴訟 (リーガル・プログレッシブ・シリーズ)
と判例ソフトは必須でしょう。

判タ１３６５〜１３６７号も残業代請求事件の場合は特に必須ですね。


が，この手の会社防戦事例を「まれに」受けたセンセ方が，
とにかくとっかかりとするのには，この本は一番優れているのではないでしょうか。

お奨めでございます。