母の虚栄心と承認闘争の連鎖
雨傘屋の娘であるジュヌヴィエーヴが、
雨や雨上がりの日でさえ傘を手にする描写が一切なかったことを、
不思議に感じました。

本映画の主人公は一見するとジュヌヴィエーヴに見えますが、
ひょっとすると「ジュヌヴィエーヴの母」ではないかと感じます。

映画のタイトルである「雨傘」とはすなわち、
娘を不幸(雨)から守ろうとする母のことではないでしょうか。


「まるで雨傘の品定めをしているみたい」
「お前を雨から守るためよ」
というセリフのやり取りからも、
そのようにいえるでしょう。


ギイと結婚しようとする娘の前途を心配する母ですが、
自覚の有無を別にして、
母が本当に守ろうとしているのは自分自身の、
娘に対する優位性です。


トマス・ホッブズは、
人間の自然的欲望は「虚栄心」だと位置付けました。

人間は他人に優越していることを願い、
さらに自己の優越性を他人が承認してくれることを要求します。

優位と名誉を他人に認めさせる「承認のための闘争」が始まるのです。

この闘争はたとえ親子関係であっても、
例外ではありません。


ジュヌヴィエーヴには父親がいません。

母は娘を女手一つで育て上げたのであり、
それは、
母の娘に対する優位性をいっそう増幅させるでしょう。


「私(母)あるいは私が見定めた傘(カサール)なくして、
娘は生きていけるはずがない」
そのような、
母親の優位性を娘に押し付けて娘の自立を妨げることが、
母の目的のひとつなのです。

そして、
傘を持とうとしないという娘の意思は、
そのような母からの抑圧に対する一種の抵抗の表れではないでしょうか。


結局、
ジュヌヴィエーヴはカサール(母の見定めた傘)と結ばれます。

また、
映画の終盤でジュヌヴィエーヴの母は亡くなります。

すなわち、
ジュヌヴィエーヴは、
母の抑圧から最後まで逃れることができなかったのです。


しかし、
ジュヌヴィエーヴとカサールの間には、
ギイとの子(フランソワーズ)が生まれます。
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その他の感想

かなり広角ですが、問題なく使えています。
備えあれば憂いなし!
三回くらい読み返した
娘へのプレゼントに!
極普通ですね
ハイパワーを売り物にしてるのに
とにかくいいドラマです!
シナリオ2つ終わってからの感想(書き直し)
かなりイイ感じ!!!
いろんな意味でズバ抜けている。
私も妊娠中に欲しかった
次の拡張
理解できない韓国人の思考・行動が分かったような気がします。
わんこのせいですが・・・
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