キレのあるシーン展開とケヴィン・コスナーの繊細な感情演技による情感的アクション作品

テンポの良い切れのあるシーン展開のアクション映画でありながら、
超粗暴な主人公ジェリコが手術で転写され断片的に現れる殉職CIA捜査官の記憶に影響され徐々に人間的感情に目覚めて行く姿が印象的な、
ケヴィン・コスナー主演アクション映画の中でも最高クラスの出来の良い作品と言えます。


ゲイリー・オールドマン 、
トミー・リー・ジョーンズと言ったアクの強いベテラン演技派俳優も出演してますが、
ジェリコ役のコスナーの見せる脳内での二人の人格間の葛藤演技を邪魔しない様に、
アクを抑えた控えめな演技に徹してます。


殉職CIA捜査官の妻役のガル・ガドットは、
2017年の「ワンダーウーマン」主演のイスラエル出身の美人女優ですが、
コスナー扮するジェリコへの複雑な感情をうまく演じてます。


アリエル・ヴロメン監督はロケシーンでは同時に8台のカメラを使うと言うだけあって、
様々なアングルからの映像を短い間隔で繋いでキレの良い映像を作っていて、
主人公の複雑な人格設定が無かったとしても、
かなり出来の良いアクション映画の部類に入っていたでしょうが、
更にこの映画を印象深くしてるのは、
超粗暴な人格から人間らしい感情に目覚めていく男の姿が描かれてるからで、
それに因って誰からも共感される情感的アクション作品に仕上がってます。


因みに今から４年前に、
オバマ大統領は記憶回復装置（脳インプラント）の構築を目的とした米国防高等研究計画局の研究に1億ドルの予算を投じたそうで、
この映画に出てくる記憶転写も近い将来現実のものとなりそうです。