厳しめの感想ですみません

奈良に住む者として気になったので購入。

残念な作品でした。


・背景描写が皆無に等しい。

ほぼ会話で進んでいくので、
主人公たちがどんなところにいるのか全く伝わってこない。
私は土地勘がまあまああるので、
なんとなーくあのあたりかな？とか、
あんな感じの家とか道かな？とか、
かろうじて想像はつきましたが、
知らない人が読むと本当にさっぱり景色が浮かばないと思います。


・奈良の人たちの話なのに、
標準語で喋る。

別にフィクションなので標準語で喋ってもいいんですけど、
それなら全員標準語で喋って欲しかったです。
中途半端に関西弁を喋る人物がいるおかげで、
違和感が際立ちます。
しかも微妙に奈良弁とは違ったり…

・ご先祖様。

完全に過去作の宣伝です。
そちらは未読です。

あとがきに、
実は前日譚の〜と書かれてあり一気に冷めました。


・主人公、
特に何もしてなくね？

もうちょっと、
リアリティを追求するか、
いっそのこともっと思い切ったファンタジーにするか、
突き詰めれば面白くなると思います。

ゆるいならゆるいなりに、
もっとこう…完全にゆるくするとか…やり方はあると思います。

キャラクター小説にしても、
全く特徴のないキャラクターばかり。
特に主人公…最後までよくわからないキャラクターでした。

奈良にひとりきりの陰陽師という設定は面白いと思うので、
それを活かして、
彼にしかできない活躍が見たかったです。


あと、
どの層を想定して書かれた作品なのかも謎でした。
子供向けでもないし、
ヤングアダルトでもなく、
かといって大人には物足りなすぎて…読書に不慣れな大人向けって感じですかね？

なんというか、
中途半端な作品でした。
続編出るならもうちょっと頑張って欲しい。