逃げるが勝ちで生き残るのが勝ち。

名作映画。

太平洋戦争中の昭和18年、
北方の離れ小島キスカ島は米軍の攻撃に晒されていた。

既に近隣のアッツ島は守備兵が全員玉砕していた。
孤立したキスカ島には5,200名もの将兵が残っていた。

軍事的観点から総司令部も一度はキスカ島を見捨てようとするが、
再三の説得で将兵の救出作戦が敢行されることになる。

しかし、
米軍に囲まれた島へ救出の船を向かわせるという困難。


それを成功させたのは「霧」だった。
この地方に独特の濃霧が艦隊の姿を隠してくれたのである。

作戦は極秘。
島の将兵たちにも無線を傍受される危険があるため容易には連絡も取れない。

濃霧に乗じ、
さらには島の浅瀬ギリギリを通過して敵のレーダーに補足されないようにするというムチャも冒した。


5,000名を超える将兵を収容して撤退するには通常は5時間は掛かる。

しかし、
それを当日は1時間を切るスピードで成し遂げた。

グズグズしていたら敵の攻撃を受けることは避けられない。
スピード勝負の撤退戦であったのだ。

多くの将兵たちは直前まで自分たちが助かるかどうか分からず、
宙ぶらりんの不安定な立場に置かれていた。

むしろ「玉砕」が当たり前と考えてもいただろう。
だからこそ、
波打ち際に集まった兵士たちが救出の船を見つけた歓喜！
生きて祖国の土を再び踏める文字通り「希望の船」であったのだ。