アイデア一発勝負！

（注意：結末に触れています）

知的障碍者を塩田にて奴隷として働かせていた、
という実際の事件に着想を得たサスペンス。


韓国にて実際にあった非人道な事案をもとにしているだけあって、
展開には手に汗握るが、
それだけでは弱いと感じた制作陣は知的障碍者のふりをした殺人鬼が塩田に潜伏しており、
そいつが大量殺人を起こすというトンデモ展開を用意した。


序盤から中盤までのドキュメンタリーと終盤のサスペンススリラーの「一口で二度おいしい」が楽しめる作品となっているが、
殺人鬼のアイデア一発勝負のような作りの弱さを感じる。

実際の事件はとても陰惨なのに、
映像で見ると奴隷数人と規模が小さく、
事件の惨さが伝わってこないし、
予告編では大量殺人と謳っておきながら、
実際に殺されるのは10名に満たない数である。
どうせなら、
殺人鬼など登場させず塩田の村ぐるみでの殺人といった狂気を前面に押し出したほうがスリラーとしては成立していたのではないかと思う。