ドイツ人のドイツ人によるドイツらしい作品

ドイツの近代史を知っていたこと、
またドイツ語がある程度理解できる状態で見たので、
DVD3枚を通して何の抵抗もなく見れた作品。


原題は"Unsere Mütter Unsere Väter"、
この題がなぜ英名で"Generation War"になったかはよく理解出来ないが…。
もともと似つかわしくない原題ではあるが、
"Our Mothers Our Farthers"で良かったのではないか…。


作品自体は、
やはりアメリカ人やイギリス人といった戦勝国が作った作品とはひと味違い、
さらに綺麗なドイツ語で話しているのでかなり聞き取りやすい。
多少意訳しているが、
ドイツ語が聞き取れるなら字幕無しでも見れる作品だが、
翻訳の出来も良いと感じた。
ZDF (ドイツのNHKに相当) は日本のNHKと違い、
「ドイツ側から見た」中立な立場の歴史的描写が多く、
気軽に見れる映像作品が多いので安心していたが、
その通りの期待を裏切ることない作品だった。


少しだけ注文を付けたいと思ったのが、
シャーロッテが幸運すぎるように描かれているように感じる。
ソ連軍の虜囚になりながら、
暴行されなかったのはまだ良いとしても、
まだ埃をかぶったベルリンに帰されているのは、
さかずに違和感があった。
(米軍とは違うのだから、
おもわず"んな筈はない"と叫んでしまった)。
ただ彼女が多く登場するシーンで、
他の方のレビューにあるような、
病院シーンが多いのは「戦争なんだから当たり前」　(ずっとドンパチやってるわけじゃない) ので、
違和感を感じることはなかった。
それにリリア、
ソニアとの関連を考えると、
どうしてもあれだけのシーンが必要になるし…、
ただニコラスイケイジの「WTC」のがれきに埋まっているシーンほどしつこくはないので安心して見ていられると思う。


最近の世代は日本が戦争に巻き込まれることが少ないこと