ニッポンの未来が真摯に予測された良書

かなり的確な予測が示されている。
しかし、
ここに記された予測について、
この新書本の販売冊数の人たちにしか共有されてない状況では未来は暗いだろう。


企業は、
非正規雇用や低賃金労働者を増やす一方で、
短期的利益を上げ株主にソレを還元することに躍起となっている。
。
。
まるで、
社会がラットレースのようだ。


大概の若い人たちは、
今をどう生きるかに精一杯で、
政治や遠い将来のことにコミットするには限界がある。
ラットレースに完全に取り込まれている。
そして、
新書本どころか、
新聞すら読まないことを自慢すらしている。


老人は、
働く世代よりはゆったりしてる層もいれば、
老々介護や認認介護や経済的貧困によって、
辛うじて生きている層もいる。


この状況が続く限り、
本書に書かれた予測の通りになっていくだろうし、
その可能性のほうが大きいと感じた。


処方箋のパートが内容が薄いという印象も受けたが、
新聞記者風情の著者にソレを期待するのも酷というものであろう。
新聞記者が政策を立案できるわけがない。


しかし、
ニッポンの未来予測を「盛らずに」真摯に行えばこうなる、
という、
とても誠実な本だと思う。
全国民に配って議論の土台とすべきほどの内容だ。
本書の内容は、
すでにいち新聞記者風情を超えた素晴らしい仕事だと感じる。