防災の考え方を示している

本書では防災を構造物に頼ってどうこうすると議論するものの対象としてではなく、
教育として捉えた場合の視点で防災教育者の立場から、
地震・水害に焦点を当てて防災に関する見解が述べられています。


ある程度の規模の大きさの災害は「仕方ない」と、
現実を踏まえた上で書かれているので、
決して夢物語のような論調は一切出てきません。
またすべての震災は想定内として考えるという考え方は、
全国民の意識として持っておくべきものだと思い、
とても参考になりました。


「津波でんでんこ」を代表するような天災の多い地域の避難対しての考え方（共助）のお話や釜石の被災時のお話は当事者でないものからすると普段から意識するようなことは少ないものでした。
また飾り付けるようなオーバーな描写がされるということもなく、
実際にどのようなことが被災者方の中で起こっていたのかを知ることができました。