市場設計をめぐる思想と歴史!―経済学における新たな市場理論に向けて
 全17章から構成される本書は、
通常の経済学の入門書(教科書)とは趣向がかなり異なっている。
巻末の「訳者あとがき」に明快に解説されているように、
各章のタイトルも、
一見それがどのような意味を有するものか判断がつかない。
読者は「何が書かれているのか」とやや期待と不安を胸に秘めながら本書を読み進める。
そして途中ではたと気がつく。
その主題が意味するものと、
本書が稀にみるユニークな著作であることに。
扱われているのは「市場の機能・設計」をめぐる思想と歴史であるが、
それは最新の理論的な学術的文献と膨大な歴史的事実によって入念に裏づけられ、
市場を単に需給均衡をなす場とみなす古典的な市場理解を超えた新たな思考様式を、
経済学を専門的に学んでいない読者にも平易にそして啓蒙的に説明している。
これだけの事例を最新の理論的成果によって基礎付ける作業は決して容易なことではない。
<制度を考える>叢書として青木昌彦教授が本書を高く推奨する理由も十分に頷けるといえるだろう。


 むろん市場という(社会的)制度は「真空状態」のようなものではなく、
それがうまく機能しうるためには、
情報流通の円滑性、
財産権の保護、
約束遂行における人々の信頼の確立、
第3者への副次的影響(外部性)の抑制、
競争の促進という5つのプラットホームが必要不可欠である。
市場はうまく機能することもあれば、
問題解決の処理メカニズムとして失敗することもある(同じことが政府・国家にも妥当する)。
市場と政府の役割を見定め、
よりよい制度設計の理論的営為が望まれる。
本書を通じて印象深い銘記すべきセンテンスは数多いが、
たとえば「序」にある、
「市場の物語は、
失望や失敗だけでなく、
人間の創意と創造性に満ちているのである」という見解、
最終章の「市場の命令」にある、
「市場設計の挑戦は、
利潤追求を社会的に生産的な方向へと導くメカニズムを考案したり、
そうしたメカニズムの進化を促したりすることにある」(327頁)というメッセージ等は、
本書を読むうえで絶えず念頭に置いておくべき理念だ。
市場システムの利点は、
それが「多様性」を容認し「批判」を許容することである(=2つの万歳)という基本的認識を受容し、
それを活かしてゆく社会経済システムのあり方を今後も探求してゆくことが必要だろう。
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える”)

その他の感想

vita持ってるなら買って損なし
新年度のスタートに当たって是非読むべき。
大学改革の隘路
高評価に?
2台目リピートです!
ブレスオブザワイルドを好きになった人は買いです
明るくなりました!
かっこいい娘最高
トラ技2015年01月
待ってました!!!
初めて知った!
知識から実践まで1冊
ジャグラー中毒
チューブトレーニング用として最適!
配達予定より早く届きました
著者の実践に基づいた説得力ある内容
薄いけど、内容は全く薄くない本
使えないカレンダー
ルアー用に購入したが・・・
まさしく本人そのもの
2枚に分ける必要性
しっかり止める。
それっぽいです。
表紙や特典ポストカードなど、カラーの絵がとても美しい!
満足感が高いがEVFの明るさ調整が弱い(やや長文)
期待ほどでは
とてもGoodです
安くて、低音も出ます。
なかなか売っていない
戻る