性的マイノリティ問題を初めとして、社会に対する風刺・批判精神に溢れた豊穣な短編集
とにかく無類の傑作である。
副題に「シュルレアリスム」とあるが、
そのような文学的手法の分類を遥かに越えた、
社会に対する風刺・批判精神に溢れた豊穣な短編集である。
動植物(のメタモルフォーゼ)を通常の"登場人物"としている辺りが「シュルレアリスム」と呼ばれる由縁であろうが、
作者の本質は上述の風刺・批判精神にあると思う。


表題作の「薔薇とハナムグリ」は、
明らかに性的マイノリティを寓話として描いた秀作だが、
本短編を中心に社会における「多数派vs少数派」の問題を扱った短編が多い点が1つの特徴である。
少数派だからと言って、
自らの意見・嗜好を主張出来ない社会を作者は痛烈に批判しているのである(少数派から何とか多数派へと移ろうとしている人々を笑い飛ばしてもいる)。
また、
文明と自然、
夢と現実といった対立軸を用意して、
そこから社会・家族問題を浮き彫りにしている点も特徴の1つである。
更に、
執筆時期を反映してか、
ファシズムをかなり直截的に批判している短編が2,3あった点も印象に残った。
また、
やはり「多数派vs少数派」の問題を扱った「疾病」の中で、
「性格の不一致による離婚」ならぬ「嗅覚の不一致による離婚」なる表現が出て来た箇所では大笑いしてしまった(訳者の功績でもある)。


全体としての頻出単語は、
「夢」と「無関心」である。
作者のデビュー作が著名な「無関心な人びと」である事から窺える通り、
自分が社会に無関心である事、
逆に、
社会が自分に無関心である事に対して作者はある種の畏れを抱き、
注意喚起しているのだと思う。
一方、
「夢」だが、
人間は自身の自由意志ではなく、
「夢」に象徴される仮想的な支配者に従って日々の生活を送っているのではないかという問題提起と受け取った。
僅か15の短編で社会・人生における諸問題を高度な技法で描き切った傑作で、
読まないと本当に損です。
薔薇とハナムグリ シュルレアリスム・風刺短篇集 (光文社古典新訳文庫)

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