女心の深層を見事に描く

タイトルはShirleyとなっているが、
主役はShirleyとCarolineである。
地主の跡継ぎとなった
金持ちのShirleyと全くお金のないCarolineはやがて親友同士となる。

Carolineは父を亡くし母は行方不明で叔父に育てられるという不幸な境遇にあり、
親戚の
Robert（英国人とフランス人のハーフ）に心を寄せる。
しかし彼は工場経営をしており、
おりしも
戦争中であることや、
労働争議などで経営不振に陥り、
金持ちであるShirleyに接近する。

そのためCarolineは失望して、
将来になんらの希望がなくなり、
病気となり、
命も危うくなる。

そこへ、
Shirleyの家庭教師であり、
相談役のMrs.Pryorが現れ、
Carolineの実の母親であることを
告白して、
以後元気づけられる。

ShirleyはRobertには全く恋心はなく、
実は元家庭教師であり、
彼の弟のLouisに心を寄せている。

読者のために、
これ以上のあらすじは控えるが、
登場人物たちの個性が実によく描かれている。

好きな場面は、
Mrs.Pryorが実の母親であることを告白するところ。

Carolineが少年MartinにRobertと再会する機会を作ってもらい導かれていくところ。
　　
などその他印象的な場面はたくさんある。