「実家」を相続するに当たっての相続人の心構え

「やってはいけない「実家」の相続」なんて題がついているが、
「実家の相続」をしてはいけないと言う意味ではない。

実家を相続するに当たって兄弟姉妹や実家の親たちともめないための心構えが諄々と説いてある。

したがって、
本書は相続の法手続きの細かい点については余り書いてない。

法手続きについては税理士に任せておきなさい、
と言うのが著者の基本的態度である。


私も実家の相続を実地に体験し、
妻が実家の相続放棄を長兄に強要されたいきさつもつぶさにみている。

その意味で、
自分は相続についてはいっぱしの知識を持っているとうぬぼれていたが、
まだまだ知らないことが多いことを本書によって知った。


私も傘寿を越えて、
これからは自分の死後、
妻や子供たちへの相続が円満に行くように考えねばならないと思って本書を求めた。

しかし、
相続には配偶者（主として妻）に対する一次相続と
私と妻が亡くなったあと、
子供たちに対する二次相続とがあることを知った。

法的には相続人の権利は妻が半分、
残りは子供たちと均等割りというのが正しいが、
それは関係者全部が一度に相続する場合のこと。

著者によれば「一次相続はすべて配偶者にが原則」とのこと。

そして「配偶者に先立たれた人に対しては課税価格が１億６千万円までは相続税がかかりません」とのことで
これなら私も安心して妻に全財産を遺贈できます。
子供たちは妻が亡くなったら二次相続で均等割りで相続すればよいのです。


本書は相続人の心構えについて書かれたものですが被相続人が読んでも参考になることが多い。

たとえば「親が喜ぶ一人帰省」など。

私も長男には「奥さんが居ては言えないこともあるから、
たまには一人で帰ってこいよ。
」と言っています。

事実、
次男は常に奥さんと一緒なので「親子だけの話」が出来ないこともあります。

本書を読ませて一人帰省をすすめてみます。