四間飛車穴熊の急所２の続編と言える内容

本書の大部分は後手の四間飛車穴熊における、
早めに54銀と上がる形（先手の98香の前）を重点的に解説した書籍となっています。

※　将棋世界の連載の加筆修正版ですので、
わずかに急戦編と先手四間飛車穴熊も載っています。
欲を言えば余計なページは省いて欲しかったです。

四間飛車穴熊の急所と重複した部分はだいぶ省略されていますので、
四間飛車穴熊の急所３と言える内容です。


早めの54銀の狙いですが、
後手番ゆえに92香と突いても91玉が間に合わない展開になるので、
その一手を54銀に変えて、
局面の良さを求めていく戦法となります。
現代将棋らしく、
序盤の一手の価値をシビアに求める戦法と言えます。

かなり洗練された手順で、
相手の良さを潰す・最善形を許さない細やかな駒組みで、
ジリジリとした戦いになります。
振り飛車穴熊らしい大捌きというよりも、
相居飛車のような細やかな定跡手順と感じました。


内容は高度ですし、
ほぼ後手番での戦術書のためかなりマニアックな内容ですが、
四間飛車穴熊を指す方には必読の一冊です。