哀愁ある男の文学
ヘミングウェイの短編ないし掌編17作品を収録。


一般的に、
ヘミングウェイは、
その外面的なワイルドさや、
それに見合うアウトドアな作風が魅力であるように思われているのでしょうが、
私が思うヘミングウェイの最大の魅力は、
特にバーなどでの静かな場所での、
会話の裏から漂ってくる哀愁の表現、
といった点です。


故に、
本書の中では、
『清潔で、
とても明るいところ』、
『世の光』、
『スイス賛歌』、
『ワイオミングのワイン』、
『父と子』、
『キリマンジャロの雪』などが、
私的に好きです。
私は、
中でも、
『清潔で、
とても明るいところ』が一番好きで、
夜中に独りで、
静かにひっそりと、
何度でも味わっている作品です。


そのライオンさながらの外面の内に秘めた、
ヘミングウェイの繊細さや、
微細な哲学が、
文字の奥から蠢き出しています。
ヘミングウェイの手法は、
「氷山の理論」と呼ばれるもので、
それとは、
「真意の7/8を隠し、
1/8のみを文章として浮き上がらせる手法」のことです。
つまり、
読者は、
文字として現れている表面の意味以上のものを、
探りながら読んでいくことで、
初めてヘミングウェイのことを、
本当の意味で理解し得るということです。
ただ、
こういった翻訳書でも、
十分に楽しむことは出来ますが、
本来は原書で、
その「氷山の理論」を用いた、
ヘミングウェイのゴリゴリした文体を味わうことが、
ベストであるには違いありません。


一読しておくと、
何処かに旅行にでも行くときに、
鞄かポケットに、
入れていきたくなるような一冊です。


虚飾を廃した短い作品群であるが故に、
その中でお気に入りの作品が見つかれば、
人生の御供になり得ますし、
噛めば噛むほど、
味が出ます。
勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪―ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

その他の感想

とてもよい商品
ゲームの内容は大好き……ですが
映画「ゴジラ」の作曲者の音楽観を学べる一冊
これから登山を始めようということで。
goodかな(^○^)
ロケット
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カーテン
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あら。という感じ。
本の装幀も素晴らしい
hickun
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