医者の言いなりでなく、病の、そして人生の当事者として、主体的に判断していけと説いた書

　著者の掲げる「患者力」は５つ。
1.知る力、
2.見抜く力、
3.自己決定力、
4.自己治癒力、
5.往生力。

　４番目の自己治癒力については、
対症療法から脱却し、
食事・運動・冷え予防の３つの生活改善を実行し、
治す力を高めよと訴える。

　５番目の往生力は、
QOLクオリティ・オブ・ライフでなく、
QODクオリティ・オブ・デス（死の質）を高めて納得いく死を迎えるための力。
「死に方も生き方」というのは尤もだと感じた。
ただ、
巻末のリビング・ウィル、
延命治療についての意思表明の書は、
医学的知識がない一般人には記入は困難で、
専門家の助言なしに作成するのは危険だと感じた。
このようなものもあると参考にするのが適切か。


　総じて、
医者の言いなりでなく、
病の、
そして人生の当事者として、
主体的に判断していけと説いた書で、
読みやすい良書ではないか。

できれば親に読ませて、
その「患者力」を上げてもらいたいと感じた。