相変わらずのハイクオリティ
話の内容は、
原作第3巻の対ミノタウロス戦の直前まで。

尺の都合で、
原作と異なる部分や省略されている部分もありますが、
主に枝葉なのでアレンジ版として楽しめます。

ソードオラトリオの方もそうですが、
ダンまちのコミカライズはどちらも非常に丁寧に描かれていて、
全般的に素晴らしい出来だと思います。


ただ1点だけ気になったのは、
明らかに解釈の誤りというか、
抜き出す台詞を間違えていると思われるシーンが存在すること。

具体的には、
34話「パーティプレイ」でのベルとリリの会話の一幕ですが、
ベルがリリに向かって「素直になれない人を~」と言ったのは、

(原作では)リリが自分の過去の悪行について、
反省も後悔もしていない…と嘘を付いて、
あるいは悪ぶって見せたからではないでしょうか。


何故そんな嘘を付いたのかと言えば、
そんな悪い自分でも尚、
本当に「リリだから」という理由だけで嫌わないでいれくれるのだろうか…と、

ベルの気持ちを再度確認したかったからですが、
信じたいのに信じ切れない不安から、
無意識に耳がタラ~ン…となっていた訳でw
そんな風に、
リリの目論見も演技も耳の動きでバレバレだったので、
ベルは苦笑しながら「素直になれない人を~」と言って、
リリ=悪人説を
否定した上で、
更に、
仮に例え悪人だったとしても「リリ(が好き)だから」嫌いになったりしないよ…という本心を伝えたんですよね?

ところが、
コミックの方ではどう見てもリリが「素直に反省」しているようにしか見えないので、
その後のベルの「素直になれない人」という
台詞との辻褄が合いません。
ここ、
原作を読んでない方には意味不明なシーンになっているんではないでしょうか。


細かいようですが、
こういう部分はキャラクターの性格や心情を描く上で割りと重要なシーンだと思うので、
アレンジするにしても、
もう少し
詰めて欲しいなぁ…と思いました。

それ以外の部分では、
作者なりに原作の行間を上手く解釈して表現出来ていたので、
ちょっと惜しい感じですね。


あと、
表紙であまりお色気が過ぎると店頭で買いにくいので、
その辺りもご一考下さると助かりますw
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